The 1st Imperial Pilsner 販売開始です

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本日は木曜日ですが、イレギュラーの更新です。

明日11月1日、ついにNorth Island x COEDO コラボレーションビール

“The 1st” Imperial Pilsnerが販売開始となります。

ビールの詳細はこちらこちらこちらをご参照ください。

 

実は先日、一足お先に某所で飲んできたのですが、とっても素敵な仕上がりでした♥

一般的にイメージされるジャーマンホップのアロマとは一線を画すフルーティなアロマ。

雑味を排した綺麗な後味と苦味で、綺麗にまとまっていると思います。

ハイアルコールながら、ドリンカビリティが高いのも素晴らしい。

 

今回のコラボレーション、私にとっても非常に有意義な経験となるものでした。

違う考えや価値観を持つ者同士で、ひとつのものを造り上げるということは

簡単なようで難しく、しかし、だからこそ楽しいものです。

また次回が実現できればな、と思っております。

 

それでは、植竹と堤野さんの汗と涙と愛の結晶をお楽しみください。

あ、私女性大好きですので。そっちの気はないので。一応。

 

“The 1st” Imperial Pilsnerはノースアイランドビールさんからの販売となります。

商品に関するお問い合わせはノースアイランドビールさんへお願致します。

October 31st, 2013 コラボレーション, リミテッドビール

California滞在10日目

自由に動き回れるのは今日が最後。

明日は飛行機に乗って帰るだけ。

という訳で今日もブルワリー巡りへGO!

 

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トロリーとタクシーを乗り継いでやってきたのはこちら。Societe Breing

とても新しいブルワリーです。何しろグランドオープンが2012年5月。

訪れた時点ではまだオープンから1年経過していないブルワリーなのです。が!

クラフトビールの聖地サンディエゴにおいて、現在勢いNo1のブルワリーなのです。

何しろブルーマスターのTravisは元Russian River&The Brueryのブルワーで、FounderのDougもThe Brewery出身という、そりゃ話題にならなきゃおかしいでしょ、なコンビが設立したブルワリーな上、造りだすビールも一級品と評判です。

Travisには先日のSan Diego History Centerで挨拶しましたが、大物なのでやや緊張・・・。

 

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とにかくまずはビールを。

The ApprenticeとThe Pupilの2種類のIPAをテイスターで。

というか頼んでいないのに座った瞬間出てきました。

ニヤッと笑って「日本人のブルワーだろ?」ですって。俺ったら有名人・・・。

お味は・・・う~ん、さすがに美味い。荒さの欠片もない綺麗な仕上がりです。

 

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テイスティングルームとタップリスト。

さすがに出来たばかりなので綺麗です。

内装や小物等々、世界観が統一されていて心地よい空間になっています。

 

 

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テイスティングルーム側からみたブルワリーの設備。

これだけ丸見えだと仕込みするのも緊張しそうですな。

 

 

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続いてはThe Puglist Dry Stoutです。こいつも綺麗な味わい。

のんびり飲んでいるとTravisとDougが出て来てくれました。

 

 

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という訳でブルワリー内部に潜入。

TravisもDougもやさしい英語で丁寧に解説してくれます。ありがたい・・・。

 

 

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Russian River、The Bureryとくれば連想されるのはもちろんバレルエイジングやサワーエール。

もちろんSocieteでもやっています。

通常は見学者を入れないというバレルの部屋も案内してもらいました。

サンディエゴの他のブルワリーではその辺にバレルを転がしておくという感じで温度管理をしていなかったのですが、Societeは部屋を区切り、しっかりと温度管理をしていました。

その理由を尋ねると「その方が仕上がりが良いんだ」と。単純にして明快。

使用しているバレルは全てフレンチオーク、赤ワインのバレル。

Russian Riverからの影響が色濃く見られます。

樽に入れられているビールはすべてアメリカンワイルドエール、つまり酸っぱいビール。

かなり期待していたのですが、訪れた5月時点ではまだサワーエールはリリースされていませんでした。

リリース時期については「良い感じになったらだ。」との事でした。

2013年10月現在、まだリリースされていないようです。

 

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Societe Brewingは現在のところケグのみの販売で、ボトルや缶での販売をしていません。

つまり日本に持って帰るにはグラウラーしかない!

という訳で気合いのグラウラー5本買い。ステンレスグラウラーなので小さくて助かります。

こう見えて1本2リットル入りますのでトータル10Lのお買い上げ。

NO GROWLER FILLのThe Butcher Imperial Stoutも詰めて貰っちゃいました。

バックパックに詰め込んでヒーヒー言いながら日本に持って帰ったのですが

Societe Brewingのビールを日本へ持ち帰ったのは間違いなく植竹が最初でしょう。

 

 

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最後にTravis、Dougとパチリ。ありがとうございました!

Tシャツ等々たくさんお土産をいただいちゃいました。

今後Societe Brewingのビールが日本で飲めることは・・・ないだろうなぁ。

また現地に行かねば!

 

 

さぁさぁ次の目的地に移動だ。

植竹「すみません、タクシーを呼んでもらえますか?」

Doug「どこ行くんだ?送ってやるよ!」

植竹「え、いいんすか?じゃあお言葉に甘えて・・・」

という訳でDougの運転でBallast Point Homebrew MartへGO!

目的はもちろんEast to West IPAのチェック。

 

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という訳でさっそくチェック。Colbyにビールをサンプリングしてもらいます。

 

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良い笑顔。アメリカの人って写真に写るの上手いですよね。

 

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こいつがEast to West IPAの若ビール。

自分で言うのもなんですが、美味しかった。本当に美味しく感じました。

East to West IPAは一生忘れることが出来ないビールとなりました。

それもこれも、沢山の方の協力があって成せたこと。感謝感謝です。

 

 

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さよならサンディエゴ、必ずまた来るよ。George、Colbyと最後の記念写真。

 

という訳でCalifornia滞在は本日で最後なのですが、ブログのネタとして使えそうな事柄がいくつかあるので、あと1~2回番外編として続けたいと思います。

次回をお楽しみに。

 

October 29th, 2013 San Diego

日々考えていること 意味を知ることの重要性

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こんな事を書くと同業の方に叱られてしまうかもしれませんが

実はビールって、結構簡単に作れてしまうってご存知ですか?

 

葡萄の出来がそのまま味に反映されるワインや

複数の微生物が関わり、非常に複雑な工程を経て醸される日本酒と比べると

ビールは非常にシステマチックに造られるお酒だと言えます。

 

私はビール造りは「お菓子作り」と例えるのですが

「量は正確に!」とか「時間、温度を決められた通り!」と、とにかく緻密に造るお酒なのです。

条件を決めてしまえばオートメーションでサクサクッと造れてしまいます。

(注:これは造りのお話です。レシピ作成や仕上げはまた別のお話。)

事実、大きなブルワリーでの仕込みなんて殆どコンピューター制御です。

それが良いか、悪いか、または味に影響するかという議論はまたの機会に譲るとして

そういった事実を踏まえて今日のお話に移りたいと思います。

 

緻密に時間や温度を調整して仕込みをすると申し上げましたが

普通、これらのプログラムはレシピに書いてあるのです。

例えば

50℃でマッシュインして、65℃で60分糖化、その後76℃に昇温して糖化終了

と、こんな具合です。

日によって温度や時間が違う、というのはあまりないと思います。

 

温度や時間の意味を理解していなくても仕込みはできます。

時間と温度が決められている以上、誰が仕込みをしても同じ結果となるはずです。

ところが現実はそうじゃない。毎回仕上がってくるビールの味は違うのです。

 

例えば「このビールはしっかりキレるビールにしよう」と考えてレシピを書いたとします。

しっかりとキレる麦芽を選択し、糖化はキレる温度帯でじっくりと時間をかけて。

レシピに書かれていることにはきちんと意味があってその数字になっているはず。

 

しかしレシピに書かれる情報なんていうのは、造りの中での極々一部でしかありません。

実際にはレシピに書かれていない膨大な工程があってビールになるわけですから

重要なのはレシピに書かれた数字を読むだけではなく、その意味を読み取ること。

その意味が分かっていればレシピに書かれていない工程でも

自然と狙った通りの仕上がりとなるように行動するはずです。

さっきの例で言えば 「しっかりキレるように、活性の高い酵母を使おう」 とかね。

 

同じレシピで仕込みをしても、人によって、日によって

さらに言えばブルワリーによって差がでるのはこのへんが原因かもしれません。

 

当然のことながらその意図を読み取る為には膨大な知識のバックグラウンドが必要ですから

どこまでいっても勉強、勉強。終わりはありません。

 

緻密に造られるビールにおいて、ほんの少しだけ人の感性が介入できる隙。

そこをどう埋めていくかがブルワーの感性であり腕の見せ所。

そしてクラフトビールに人間味を与えられる重要なポイントなのではないでしょうか。

だからこそ意味を知っている事が重要。

 

ちなみに、前にも少し書きましたが植竹のビール造りは

そういった隙の埋め方を事前に徹底的に決めてしまうというやりかたです。

後輩たちよ、君たちの感性を介入させる隙はなかなか見つからないぞ!

 

なんとなくまとまりませんが、今回はこんなお話でした。

October 25th, 2013 日々考えていること

似ていたり、似ていなかったり

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先週末は地元川越の大きなお祭り、川越祭りでした。

毎年COEDOも総出で酒屋さんのお手伝いです。

 

酒屋さんのお手伝いなので、お隣には川越の地酒 “鏡山” の方々がいらっしゃいました。

普段ほとんど日本酒を飲まないのですが、鏡山のお酒は好みのものが多く

また地元という事もあり、日本酒を飲むなら鏡山という感じなのです。

実は一度蔵の見学にもお邪魔させていただいたことも。

 

日本酒とビール、原料も製法もまったく違いますが

不思議なもので共通するところが沢山見受けられるのです。

造りをしている方と話をするととても刺激になります。

なにかビールに応用出来ないかな、とか面白いコラボはできないかな、とか

ビール醸造者との交流とはまた違った情報交換ができます。

 

日本においてはビールよりもずっと長い歴史を持つ日本酒。

やはり伝統や歴史を非常に重んじる傾向が強いように思われます。

それだけに新しい試みや既存の概念を打ち破るような事をするのはなかなか難しいそうです。

 

そういえばビールを造っている酒蔵さんも多いのに、不思議とビールと日本酒の融合は進みませんね。

清酒酵母を使ったビールはいくつかありますが、もう少しディープなミクスチャーは記憶にある限り

”好みを聞いてくれないあのビール” だけでしょうか。

 

身近なようでどこか遠い存在にも感じられる日本酒。

もう少しこちらから歩み寄ってみようかな、なんて考えながらビールとお酒を売っていました。

 

果たして日本酒にもビールのように新しい風が吹くか否か。

もしかしたらビールとのコラボレーションがひとつの答えかもしれません。

なんていうことを妄想してレシピを練ってみたり。

ま、変わらないのも一つの良さですから。新しい試みが正しいとも言えませんけどね。

はてさて、いつかこのレシピが仕込まれることはあるのかな。

 

October 22nd, 2013 雑記

California滞在9日目

そろそろチーズに飽きてきた9日目です。

アメリカ人みんなチーズ好きなのね。

 

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今日はここから。San Marcos Brewing & Grill

Lost Abbeyに向かう途中にあったので寄ってみました。

昨日訪れたSan Diego Brewingと似たようなブルワリー併設のレストランです。

バーガーを頂きましたが、まさかの写真撮り忘れ!なんというか・・・バーガーでした(笑)

ビールも・・・うーん・・・・ビールでした(笑)

 

気を取り直して本日のメイン目的地へ。

 

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ここLost Abbeyは今回のSan Diego滞在で絶対に訪れたかったブルワリーの1つです。

Lost Abbeyというのはブルワリー名というより、ブランド名と言った方が正しいかもしれません。

Port BrewingとLost Abberyは同じブルワリーで作られるビールなのです。

Port Brewing名義ではアメリカンスタイルのビールを、Lost Abbery名義ではベルジャンスタイルのビールを造っていますが、ブルワリーの設備などは共用で、ヘッドブルワリーも同じ人物です。

Port Brewingのポップなデザインに対して、Lost Abberyは中二病的重厚感のあるデザインも特徴です。

 

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さっそく飲みます。

飲んでいるのはDevotion AleですがテイスターはPortですね。

なお、連日のビール漬けで肝臓が限界に近付いております。ビールはテイスターでちまちま頂きました。

 

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ブルワリーの規模はこのくらい。はっきり言って小さいです。

面白い事にここは以前Stone Brewingだった場所なのです。

Stoneが移転する時に、そのまま居抜きでLost Brewingが入居した訳です。

San Diegoのブルワリー同士の繋がりの強さが感じられますね。

 

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ボトリングラインも見学させてもらいました。

Lost Abbeyのボトルは全てコルク栓です。コルク栓の打栓機、なかなか興味深かったです。

いつかコルク栓のボトルやりたいなー。何しろカッコイイですから!

 

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Angel’s Shareのラベルの原画です。これまた中二病心をそそられます。

 

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そしてLost Abberyといえばやはりこれ。

” IN ILLA BRETTANOMYCES NOS FIDES “ と掲げられています。

ラテン語で” 我々はブレタノマイセスを信仰している “と書かれているのです。(意訳)

 

ブレタノマイセスとは、ビールやワイン醸造においては忌み嫌われる酵母の一種です。

アルコールは作らず、馬小屋や古い毛布の臭いなどと形容される不快臭を出すと言われているのですが、ベルギーのランビック醸造においては必ず関わっている酵母で、通常のビール酵母、いわゆるサッカロマイセスには資源化出来ない糖を資源化できるため、とてもドライな飲み口となり、もたらされる独特のコク、香りはランビックをランビックたらしめる大きな要因の一つとなっています。

また、ブレタノマイセスの特徴が出てくるまで、最低でも酵母を添加してから6カ月以上かかると言われるくらい、ゆっくりゆ~っくりと醗酵を続けるのもこの酵母の特徴です。

 

Lost Abbeyはそんな怪しい酵母ブレタノマイセスをアメリカにおいて意図的に使い始めた、パイオニア的ブルワリーなのです。現在のアメリカではブレタノマイセスを使用したビールは「ブレットエール」としてビアスタイルガイドラインに載るほどメジャーな存在となりました。またアメリカンスタイルサワーエールにも無くてはならない存在です。

 

もちろんLost Abberyもサワーエールを造っていますが、実は結構レアだったります。

そんなレアなビール、4日目にColby達と飲んでいたり・・・。

日本でブレットエールやサワーがメジャーになるにはあと何年かかるかなぁ。

 

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話がやや逸れましたが、こちらがブレットエリアです。

独特の酸っぱいような、カビ臭いような香りが漂っています。

別に宗教的な場所ではないのですが、荘厳な雰囲気に圧倒されます。

 

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こんな感じでそこらじゅうにバレルがごろごろ。

 

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原画がたくさん。

 

テイスターで10杯ほどビールを飲み良い感じでペロペロに。

一度ホテルで仮眠して、もう一度飲みに出るぞー!と思っていたら。

そのまま泥のように眠り、気づけば朝。

貴重な夜の時間を無駄にしてしまった、9日目はこれにて終了。

 

10日目に続く。

October 18th, 2013 San Diego

日々考えていること 渋と苦の境界 その2

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苦味に影響を与える麦汁のプロフィールとは、具体的には硫酸カルシウムの溶解量、そして麦汁のpHです。

硫酸カルシウムの作用については醸造用水の事を書く際に譲るとして、今回はpHに注目しましょう。

 

pHとは難しく書くと水溶液中の水素イオン濃度を示す値です。

簡単に言えば水溶液が酸性か、アルカリ性かを示す値。

pHが低ければ酸性、高ければアルカリ性を示しています。

 

ビール造りにおいてpHは最も重要な計測項目のひとつです。

仕込み時はもちろん、発酵中もpHを計測することによって様々な情報を得られるのです。

もちろん苦味や渋味との関係も大きく、煮沸時の麦汁のpHが高いとα酸の異性化効率は良いのですが、Co-Humloneが抽出されやすく荒い苦味が出やすくなり、低ければ異性化効率は悪いもののCo-Humloneの抽出が抑えられクリーンな苦味が得られます。

 

麦汁のpHの調整方法は色々とあります。乳酸、リン酸、クエン酸などの酸を添加したり、CaCl2やCaSo4の添加、サワーモルトの使用などなど。詳しくはまたの機会に。

 

ビタリングホップを投入するのはもちろん煮沸工程ですが、麦汁を煮沸すると酸性メラノイジンの形成や、Ca、Mgイオンによってアルカリ性のリン酸が除去されるので、結果pHが徐々に低下していきます。

端的に言えば煮沸工程後半の方が麦汁のpHが低くなるのです。

つまり理論上は、煮沸前半にホップを投入するよりも後半に投入した方が麦汁のpHが低い為Co-Humloneの溶出が抑えられ、クリーンな苦味が得られることになります。

ただし、当然長時間煮沸した方が苦味の利用効率は良いので、ブルワーは利用効率と苦味の質を見極めながらホップを投入するタイミングを決定する訳です。

 

以前ご紹介したHop Burstという技術ですが、強力なホップのアロマやフレーバーを得る以外にもいくつかの利点があると申し上げました。その利点の一つが煮沸後期の低いpHなのです。

改めてご紹介するとHop Burstとは、煮沸初期にはホップをまったく投入せず、終了間際に大量のホップを投入して香りと苦味を得るホップの投入方法ですが、強力なアロマやフレーバーを得る以外に実はクリーンな苦味が得られるという利点もあるのです。

 

まとまめると

*苦味と渋味はしっかりと区別すべき

*クリーンな苦味を得る為にはCo-Humlone含有量の少ないホップを選択する

*荒い苦味をもたらすCo-Humloneの溶出を抑えた方がクリーンな苦味となる

*その為には麦汁のpHを下げる為の調整をしたり、ホップ投入のタイミングを考慮する

 

こんな感じです。

 

しかしながら、前回の最後に書いたように

ビールのスタイルによってはクリーンな苦味 = 良い という訳でもなかったりするのです。

 

これはただの個人的な意見なのですが、ドイツのPilsなどはむしろやや荒い苦味こそが特徴であると思えてならないのです。ボヘミアンスタイルよりホッピーなジャーマンスタイルのピルスナーですが、このスタイルにおいては荒い苦味も決して不快ではなく、むしろボディを形成する要素になっているような・・・。

単にクリーンな苦味を目指すだけではなく、スタイルによって苦味の質を使い分けられればブルワーとしてのレベルがひとつ上がるかな、とか考えて最近は色々試しています。

 

苦味はビールにとっては必要不可欠な要素で、ビールを魅力的なお酒たらしめる重要なファクターでありますが、その質によってビールの良し悪しが決まってしまう非常に繊細な要素でもあります。

雑味の少ないビール造りを信念とする自分としては、はやり苦味の質には徹底的にこだわりたいのです。

ですからレシピを書く際は、まず、いかにして渋味を抑えるかということを考えるのです。

 

今回は内容がマニアックすぎて誰が喜ぶのか全くわかりませんが、とにかく書いてみました。

苦味と渋味について考えながらビールを飲んでみると、楽しみが増えるかどうかはわかりませんが、少しブルワーの苦労が垣間見えるかもしれませんね。

次回はもうちょい楽しい内容にしたいと思います。

 

それでは。

October 15th, 2013 日々考えていること

日々考えていること 渋と苦の境界 その1

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今回はちょっとマニアックなお話です。

今までも充分マニアックだったと思うんですが、さらにディープなお話。

 

タイトル通り、渋味と苦味についてです。今回も長いので2回に分けて書きます。

さて、いきなり質問です。あなたは渋味と苦味の区別ついてますか?

何を言っているんだ?と突っ込まれてしまうかもしれませんが、なかなかどうしてこれは非常に奥深い、かつ重要な問題なのです。

 

人間は基本的な5つの味覚を感知できると言われています。

それは甘味、酸味、塩味、旨味、そして苦味の5つ。

あれ?と思われた方、するどい。そう、問題の渋味が含まれていない。

渋味は味覚ではなく、感覚なのです。同様に辛味も味覚ではなく感覚だと言われています。

 

しかもややこしい事に、生理学的には渋味と苦味は同一のものとされているのです。

これは苦味、渋みを感じさせる作用が同一だからなのですが

具体的には、タンニンなどのタンパク質を変性させる作用を持った物質が

口腔内のタンパク質と結合し、変性させる作用が苦味や渋味という味覚を生み出すからです。

そんなこんなで苦味、渋味、えぐ味なんかを”収斂味”としてまとめたりもします。

 

ところが人間は渋味と苦味を明らかに区別して味わっているのです。

もちろん程度の差はあれど、濃いお茶は「苦い」ではなく「渋い」と表現する事が多いのではないでしょうか。

コーヒーにおいても渋いではなく、苦いと表現される事が多いと思います。

明らかに区別されていますよね。

 

味覚、感覚を文字で表現したり、人に伝えたりするのは非常に難しいのですが

植竹の感覚として

 

不快に感じるほど長く強く舌に残る収斂味 を渋味。

キレ良くサッと消える、爽快感のある収斂味 を苦味として捉えています。

 

もちろんこの表現には「ビールにおいては」という前置きがつくことを先にお断りしておきます。

 

さて、そんな境界があいまいな渋味と苦味ですが

ビールにおいて重要視されるのは渋味ではなく、やはり苦味なのです。

口の中に長く残る渋味は、次の一口を進みづらくし、ドリンカビリティを著しく下げます。

特にIBUの高いIPAやImperial IPAにおいては渋味というのは代表的な雑味になってしまいます。

我々ブルワーは渋味を抑え、いかに綺麗な苦味を得るかということに心を砕いています。

もちろん私も雑味の少ない綺麗な味わいのビールを造るために、渋みを抑える努力を色々しています。

 

 

当然の事なら大部分の渋味、苦味の元となるのはホップなのですが

(もちろん麦芽由来の渋味や苦味もあるのですが、今回はホップのお話に留めます)

注目すべきはホップに含まれるCo-Humuloneという物質です。

ホップに含まれるというか、α酸として括られる物質の内のひとつなのですが

Co-Humuloneは不快な荒い苦味をビールにもたらすを考えられています。

 

ではここでホップのプロフィールを比較してみましょう。

まずはアメリカンホップの代表格Cascadeです。

 

Alpha Acids        4.5 – 7.0%

Beta Acids         4.5 – 7.0%

Co-Humulone    33 – 40%

 

続いて植竹が良く使う大好きなSimcoe。

 

Alpha Acids        12.0 – 14.0%

Beta Acids         4.0 – 5.0%

Co-Humulone    15 – 20%

 

注目すべき数値はもちろんCo-Humuloneです。

これはα酸中、Co-Humuloneがどのくらいの割合含まれているか示す数値です。

先ほど申し上げたように、Co-Humuloneは荒い苦味をビールにもたらすとされているので

同じIBUをビールに与えようとした場合、Cascadeを使用した方がCo-Humuloneが多くなり

結果荒い苦味となる、ということが想像される訳です。

 

どのブルワーも同じだと思いますが、植竹はまず綺麗な苦味を得るためのビタリング用ホップを選ぶ場合、プロフィールのCo-Humuloneをチェックします。

もちろんCo-Humuloneの値が低いホップの品種ををビタリング用途に選択することが多いです。

 

じゃあとにかくCo-Humulone値の低いホップを使えばいいんでしょ?綺麗な苦味になるんでしょ?

と思われた方。半分正解。でも完璧ではありません。

 

たしかにCo-Humulone値の低いホップを使用することは、綺麗な苦味を得るための第一段階なのですが

実はα酸の異性化は麦汁のプロフィールによって大きく変わるのです。

さらに言ってしまえば、ビールのスタイルによっては必ずしも 綺麗な苦味 = 美味い! となるわけでもなかったり。

 

その2へ続く。

October 11th, 2013 日々考えていること

”初めて”尽くしのビールです

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1週間も更新をさぼってすみません。

けやきひろば秋のビール祭りという大イベントが終わって、やっと一息かと思いきや。

休んでなんていられません。そう、来週月曜日は札幌クラフトビアフォレストですよ!

 

そしてそして、このイベントの為に造った

North Island  x  COEDO のコラボレーションビール”The 1st Imperial Pilsner”がついに情報解禁です。

 

スタイルはImperial Pilsner。

ジャーマンホップ、ピルスナーモルト、ジャーマンイーストとピルスナーに使用される原材料だけを使用し

アルコール度数を8.5%まで高め、さらにドライホッピングでアロマを増し増しにしました。

ノースとコエド、お互いに定番で造っているピルスナーをコラボでツイストした結果です。

テイストはクリーンで華やか。正しくインペリアルピルスナーに仕上がっていると思います。

飲んで頂ければ納得していただけるはず。

 

今のところはImperial Pilsnerなんていうスタイルはスタイルガイドラインには載っておりません。

ま、言葉遊びみたいなもんです。

ジャーマンスタイルインペリアルペールラガーとかでもいいのかな。

 

今回のビール”The 1st”の名前の由来は

 

*1st wort(一番麦汁)だけを使用しています

*First Wort Hoppingという方法でホップを投入しています

*ノース、コエド共に初めて造るスタイルのビール

*初めて札幌で開催されるイベント用のビールです

*初めて使用したホップが何種類か

*イーストもノースでは初めて使ったイースト

*ノースは初コラボ、コエドも国内初コラボです

*ノースのヘッドブルワー堤野さんにとっては初めて×××××

*植竹にとっても初めての×××××

*×××が×××で、これは初めての××××

*×××は初×××で、その場で×××なので

*そもそも植竹も堤野さんも初めて××××

 

などなど公表できないことも含めて沢山の”初めて”があるビールなのです。

 

こちらのビール、解禁は10月14日の札幌クラフトビアフォレストです。

私のところにもお問い合わせを沢山いただいているのですが

同じ14日に開催されるコエドビール祭りでは提供されませんので、お間違いなく。

解禁当日に飲みたい方は北海道へGO!まだ宿の手配間に合います!

 

クラフトビアフォレストで飲み干されない限りは外販の予定もあり、とのことです

北海道の猛者達、ある程度手加減して飲んでくださいね。

残念ながら私は当日北海道へは行けないのですが、埼玉からイベントの成功をお祈りしています。

どうか沢山の人がクラフトビールを飲んで楽しい時間を過ごせますように!

 

最後にお知らせです。

The 1stの販売は全てノースアイランドビールさんです。

お問い合わせはノースアイランドビールさんまでお願致します。

October 8th, 2013 コラボレーション, リミテッドビール

始まるよ、あのイベントが

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ついに来ました、この日が。

明日、2日から6日まで秋のビール祭りinさいたまスーパーアリーナが開催されます。

写真は前回春のビール祭りのですが、今回は屋内なのでお間違いなく!

ただ入退場が自由なので、ビールを持って外に出ることが可能です。

ちょっと距離はありますが、今まで通りけやきひろばでもビールを楽しむことができますよ。

 

なんでも、今回は300種類以上のビールが出品されているとか。
試飲サイズでも5日間では飲みきれないですね。

 

地元埼玉で開催されるということもあり、COEDOで最も力を入れているイベントの一つです。

全国各地からブルワリーが自慢のビールと料理を引っ提げて埼玉に集まってきます。

出展する側として楽しいのはもちろん、遊びに来ても楽しいだろうなと少しお客さんを羨ましく思ったり。

 

何度かアナウンスしていますが、今回はインペリアルIPAを引っ提げての参戦です。

たくさん飲んでください!たくさん食べてください!

 

それでは会場でお会いしましょう!

 
 

ここのところイベントの告知ばかりですみません。

書きたい事、たくさんあるんですが文章に起こす時間がなかなかとれず

また毎週のようにイベントがあるので、どうしても告知が優先になってしまうんです。

また時間が取れた時にじっくり書きたいと思いますので、もう少しお待ちくださいね。

October 1st, 2013 イベント

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