マニアック過ぎる原料解説 HOP vol.2 Galaxy

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今回マニアックにご紹介するのはオーストラリアのGalaxyというホップです。

 

今年日本でブレイクした感じのあるホップですが、よく名前を見るのではないでしょうか?

ちょっと自慢なのですが、たぶん日本で一番最初にGalaxyを使ったのはCOEDOなんです。

独自ルートで仕入れました。それ以前にGalaxyを使ったビールを見た事がなかったので、恐らく間違いないかと。

 

海外ではというと、なぜかイギリスで多用されているイメージです。

Brew dogがIPA is Deadシリーズ(シングルホップIPA)でGalaxyを使用した影響なんですかね。

元々Brew dogはNelson Sauvinなどニュージランド産のホップを多用するブルワリーですので、同じオセアニアのホップにも目をつけていたのでしょう。

アメリカでも使われてはいるものの、それほどメジャーではないようです。

まぁアメリカにはわざわざ輸入せずとも強烈なホップが沢山ありますからね。

 

そんなGalaxyですが1994年にオーストラリアのホップメーカー、Hop Products Australiaによって交配された品種です。

商用としてリリースされたのは2009年、わずか4年前です。新しいホップなんですよ。

母親は三倍体(詳しくは生物学、または遺伝子工学の教科書を読みましょう!)の品種(詳細は秘密っぽいです)、父親はドイツのPerleという品種で

当初はハイアルファのビタリングホップの開発を目的として交配されたようです。

Perleというのはどちらかというと、ノーブル系の伝統的な品種に近いアロマなのですが、Galaxyとは似ても似つかないキャラクターです。なぜPerleが親でGalaxyが産まれるのか・・・。不思議なもんです。

 

話が逸れましたが、ビタリング用途として交配されたのでα酸値は高いです。

アベレージでは11%-16%の間のようですが、今まで使ったものは全て12%を越えています。

現在の用途としてはDual、つまりビタリングにもアロマにも使えるよ、と言われていますが

Galaxyといえば特徴的なのはまずアロマです。

 

シトラス、パッションフルーツ、メロン、マンゴーなどのフルーツの香りがガンガンです。

個人的には上記のフルーツよりライチのような香りを強く感じます。

なんの前知識も持たずにこのホップに触れたので、初めてパッケージの封を切った時には衝撃が走ったのを覚えています。えー!?なにこれ!?と。

熱をかけると香りが大きく変化するのも特徴だと思っています。

Earthyと表現するのですが、土のような香りが出てきます。

土の香りというとあまり良い香りのイメージではありませんが、ビールのアロマ表現としては割と一般的です。

ポーターやランビックなんかは土のニュアンスがあることが多いように思いますし、ホップのキャラクターを表現するときにも割と頻繁に使われる表現かなと。

 

一方、苦味はというと・・・。

渋味の原因となるCo-humlone値が32%-42%と結構高い数値なのです。

一応はビタリング用途にも使えるよ、と言われていますが、私はまず使いません。

pHをキッチリ調整してもかな~り強烈に渋渋になります。

α酸値が高いのでビタリング用途として使いたくなるのは山々なのですが、クリーンな味わいを目指すのであればアロマ用途に限定した方が良い結果が得られると思います。

または、Hop Burst的に使えばやや渋味は抑えられるかと。

 

という訳でGalaxyの個人的なお勧めの使い方はアロマです。

煮沸中に加えるとしても、なるべく終了間際やワールプールの工程で加えるのがベター。

少しでも熱が加わると渋味が出てしまうので、慎重に使う事をお勧めします。

また熱を一切加えないドライホッピングに用いれば非常に良い結果が得られます。

ただ、ホップをそのまま嗅いだときに連想されるほど強烈なアロマは乗らないような気が。

ビールになると比較的穏やかにフルーティなアロマが感じられる、というレベルに落ち着いてしまう様な印象を持っています。オイル量も非常に多いのに不思議なもんです。

 

向くスタイルはやはりIPAでしょう。ペールエール、ゴールデンエールなんかにもグッド。

基本的にはアメリカンホップの代わりに使用するのがベターかと。

そのまま代用にはなりませんが、使い方によってはアメリカンホップとはまた違ったキャラクターを引き出せ、ユニークな仕上がりのビールが出来ると思います。

ちなみに自分はGalaxyを使っているビールはブラインドで飲んでも存在を感じ取れます。

それくらいGalaxyのキャラクターは特徴的です。

もちろん自分で普段使っているから香りをしっかり覚えているというのも理由ですが。

 

COEDOでは現在進行形で伽羅、過去にはImperial Belgian AleとWest to East IPA、East to West IPAに使用しました。

これからもまだまだお世話になるホップだとおもいます。

 

それではまた次回をお楽しみに。

November 29th, 2013 ホップ, マニアック過ぎる原料解説

日々考えていること 人間には造れません

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我々ブルワーはたまに「ビールを造ってます」なんて言っちゃいますが

そんなのは大ウソで、実際にビールを造っているのは酵母です。

 

酵母は糖を食べて、ビールになくてはならない炭酸ガスとアルコールをつくり出します。

アルコールも炭酸ガスも酵母が生命活動を行う上での廃棄物なのですが、古来より人間はこの酵母の生命活動を上手く利用してお酒を醸してきました。

要するに糖を食べて、アルコールを造って、という営みは酵母にとってはただの生命活動であって、酵母自身は「美味しいビールを造ろう」なんて考えちゃいない訳です。当たり前のことですが。

ですから良いビールを造る為には、人間が酵母の声を聞いてやらなければなりません。

 

クラフトビールにおいては(最近は大手もこの傾向がありますが)新しいホップや製法に注目が集まりがちです。

しかし酵母に注目が集まる事ってのはそう多くない気がします。

これは飲む側だけのお話ではなく、ブルワーも。

 

ビールの4大原料の内、唯一生命活動を続けている原料は酵母。

他の原料よりはるかに繊細に、丁寧に、確実に付き合わなければいけないはずなのに

どういう訳か「ただ入れれば良い」というレベルで止まっている状況が多々見受けられます。

 

アルコールや華やかなエステルや造ってくれるのはもちろんのこと

大半のオフフレーバーをレストしてくれるのも酵母の働きだったりします。

オフフレーバーが無いというビールとして(というより食品として)まず目指すべき完成度に達するためには

どれだけ酵母と仲良く付き合えるか、ということが重要なんです。

 

酵母の生菌率、ピッチングする量、転用するタイミング

エアレーション量、醗酵温度、増殖量、タンクから抜くタイミングなどなどなどなど…..

考えなければいけないこと、やらなければいけないことは山ほどあるのです。

 

いま酵母がどういう状況にあるのか、何をしてほしいのか、感じ取るのがブルワー腕の見せ所。

我々の仕事は「ビールを造ること」ではなく「ビールを造ってくれる酵母の面倒をみること」です。

でも酵母をコントロールするなんて考えてはいけません。

どうやって上手く付き合っていくか、という考え方をしなければ嫌われてしまいます。

 

酵母好みの食事を用意し、ご機嫌を伺って、清潔に環境を整え、時にはちょっとプレゼントをしてみたりして、酵母が活き活きと快適に生活できるように尽くせば、その恩返しはきっと、この上なく美味しいビールであるはずです。

付き合っているパートナーが酵母に嫉妬するようになったら、ブルワーとして一人前ですかね。

さあさあ酵母に尽くそうじゃありませんか。美味しいビールを飲む為に。

November 26th, 2013 日々考えていること, 酵母

COEDONADO先行開栓です

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来週25日月曜日は、いよいよCoronado brewingとCOEDO Breweryの日米コラボレーションビールCOEDONADOの出荷開始です。

沖縄県産サトウキビから作られた黒蜜と、国産大豆が原料のきな粉

さらにシムコーとソラチエースで香り付けをした、非常に複雑で面白い味わいのストロングエールです。

詳しい解説は以前のポストをご参照ください。

 

一般出荷に先立ち、アンテナアメリカさんで開栓イベントを行う事になりました。

11月23日(土)11:00からです。

私も当日はお邪魔してサービングしております。

ぜひ一足お先にCOEDONADOをお楽しみください。

激レアなCoronado Brewingの17th Anniversary Double IPAも飲めるとか!?

 

そしてイベントに来られない方も、来週26日には各地のビアパブで楽しめるはずです!

数量限定の日米コラボレーションビールです。お楽しみください!

 

 

 

 

ちょっとだけ、個人的な連絡。

このビール、和菓子からインスピレーションを得てレシピを書いたんですが

そのお菓子というのは、ご想像通り山梨の名物で有名な○○餅です。

あるきっかけで○○餅を食べたのですが、その時に思い浮かんだレシピです。

そのきっかけを作ってくれた方に感謝。あれがなかったらこのビールは存在しません。

たぶんこのブログを見てくれてると思うのでこの場で御礼。ありがとう。

なんて、ちょっと個人的なお話でした。

 

November 22nd, 2013 イベント, リミテッドビール

使い捨て、ではなく

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このブーツ、かれこれ6年ほど大切に履いているREDWING 875。

先日購入以来二度目のソール貼り替えに出し、帰って来たところです。

見ての通りソールはカスタムしてますが、アッパーはそのままです。

 

靴のお値段なんてそれこそピンキリで

千円札1枚で買えるものから、植竹の月収では買えないものまであるでしょう。

高ければ高いほど良い、なんてことは全く思っていませんし

その人のライフスタイルに合わせたものを履くのが一番よいと思うのですが

個人的には靴に限らず、使い捨て感覚というのがあまり好きではありません。

実のところ、ソールの貼り替え費用にちょっと足せば新品の同じブーツが買えてしまいます。

でも自分は修理して履きます。6年分の愛着もありますし。

 

服も、靴も、音楽も、目まぐるしく流行が移り変わり

昨日まで流行っていたものが、今日には”時代遅れ”になってしまう世の中です。

なんでもかんでも使い捨て感覚になりがち。でも、そういうものって記憶に残らないんですよね。

 

クラフトビールがブームと言われている昨今、ただのブームだけで終わりたくないと思うんです。

ずっと大切に飲んでもらえるような文化を作らなければならない。

そのために我々は大切に飲んでもらえるようなビールを造らなければならない。

 

「そういや何年か前に地ビールブームみたいなのあったよね。」

「あー、あったね。何度か試しに飲んだよ。」

「でも結局高いし、癖があるから定着しなかったね。」

「結局一番は大手のビールでしょ。」

 

こんな会話がされないように、どうかクラフトビールという文化が使い捨てにされませんように。

November 19th, 2013 雑記

マニアック過ぎる原料解説 HOP vol.1 Magnum

COEDOで使用している原料をマニアックに解説する連載を思いつきました。

これで当分の間ネタ切れの心配はなさそうです。ホッ。

実際に見て、触れて、嗅いで、味わった原料だけを植竹視点で解説したいと思います。

飲み手の方には何の得にもならない記事だと思いますが、お付き合いを宜しくお願い致します。

 

 

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さて、第一回はMagnumというホップをご紹介したいと思います。

Magnumaは1980年にドイツのHüll研究所で交配され生み出されたホップです。

親はアメリカのGalenaとドイツの野生ホップ。

α酸値は今までの経験上、大体12%~15%の間ですかね。いわゆるハイアルファホップです。

Co-humloneの含量も少ないため、クリーンな苦味が特徴です。

 

面積当たりの収穫量も多く、ドイツでは永きに渡ってハイアルファ品種、栽培量No.1だったのですが

近年、より面積当たりの収穫量が多いHerkulesにNo.1の座を奪われてしまったようです。

このへんはブルワーの需要というよりホップ農家さんのご都合だったりします。

そんな感じで、ちょっとだけ古い時代のホップというイメージであります。

 

ハイアルファ品種なのでもちろんビタリング用に使われる事が殆どです。苦味の質も大変優秀。

COEDOでもメインのビタリングホップとして沢山使用されています。

一口にクリーンな苦味といっても、ホップによって雰囲気が違うものなのですが

Magnumの苦味は冷たい感じで、ちょっとだけ後に引くような苦味です。

口に含んでから苦味を感じるまでのピークがやや後ろにあるイメージ。

 

そんな苦味ばかり注目されがちなMagnumですが、アロマはどうかというと、決して悪くないです。

ノーブル系のアロマがあります。スパイシーでホッピーと表現したらよいのか・・・。

オイル量も多いので、アロマは強めです。

ジャーマンピルスナーなんかにはアロマ用途としても充分に使用できると思います。

やったことがないので、自分の感想ではないのですが

ドライホッピングに使用するとフルーティなアロマが得られるとか。

うーん、どうなんだろう。

 

ちなみにMagnumは先に申し上げたようにドイツ原産のホップなのですが

実はアメリカやスロヴェニアでも栽培されています。

同じ品種でも栽培される地域によって、キャラクターが変わるものです。

私が使用した事のあるMagnumはドイツ産とスロヴェニア産。

スロヴェニア産の方がややマイルドな苦味という印象です。

アメリカ産のものは使った事がないのでなんとも申し上げられませんが、きっとまた少し違うのでしょう。

 

基本的にはどんなスタイルのビールにも使用できると思いますが

ピルスナー、ペールエール、IPAなど比較的淡色で苦味の強いビールに向くような気がします。

スタウトやポーターなんかの黒いビールにはちょっと苦味がシャープ過ぎるかな、と。

 

そんなMagnumaですが、これからもCOEDOで活躍してくれる予定です。

COEDOのどのビールに使用しているかは秘密。

でもWest to East IPAとEast to West IPAに使用した事は公開してみます。

COEDOのこの苦味がMagnumなのか!?と考えながら飲んでみてください。

ちょっとだけ楽しくなれるかも。

 

November 15th, 2013 ホップ, マニアック過ぎる原料解説

分からなくてもやるしかない

1

 

こちら、仕込み設備の制御盤。

COEDOの仕込み設備は非常にシンプルで、完全手動制御です。

規模的にオートメーションと思われがちですが、実はバルブの開閉やポンプのON,OFF

などなど、ほとんど手動で行うアナログな設備なのです。コンピューターは使っていません。

 

シンプルな設備なので故障は少ない・・・と言いたいところですが

すでに導入から16年、休まず働き続けている設備なので、頻繁に故障してしまいます。

物理的なパーツの破損なら目に見えて悪い箇所が分かるのですが、電気系統の故障となると・・・。

手動制御でもこれだけの配線が組まれています。

 

設備を導入したのはドイツの業者。使われている電子パーツもドイツ製が殆ど。

日本の電機屋さんに診てもらっても、何が何だかわからないと言われてしまうのです。

 

それならば、自分で直すしかない!

電気なんて全くの素人でしたが、何度も何度も修理している内に詳しくなるもんですね。

何度か「もうダメだ!」という絶望の状況から復旧させたこともあるんです。

泣きながら2日間ほぼ徹夜で作業したことも。

忘れもしない、あの修理。無事に復旧したときは身体から力が抜けてへたり込みました。

 

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こちらは仕込み装置の回路図。

ボロボロで読み取り不可の箇所が沢山ありましたが

少しずつ回路を追って復元し、修理のたびに新たな情報を書き込み、今や宝物のようです。

たぶん根本的に、こういうこと嫌いじゃないんですね。

 

自分で設備の修理をすればするほど、設備に愛着が湧いてきます。

どんどん「自分の設備」になっていくような感覚。

 

が、これを書いている10月8日現在。また故障中です。

ずいぶん手がかかる「自分の設備」であります。もうちょい楽をさせておくれ。

November 12th, 2013 ブルワリー

COEDO + CORONADO = COEDONADO

お待たせいたしました、情報公開です。

昨年のBallast Pointに続き、今年もサンディエゴのブルワリーとのコラボレーションです。

公式リリースはこちらからどうぞ。West Coasterの記事はこちらです。

 

今回のコラボレーションの経緯ですが、4月にBallast PointとEast to West IPAを仕込む為にサンディエゴを訪れたのがきっかけとなりました。

実は過去のブログで少し書いていたり・・・。こちら

記事の最後に書いてある「面白い事」というのは、つまりコラボレーションの約束でして

CoronadoのShawnに「9月に日本に行くからコラボしようぜ!」と誘われたのです。

もちろん即答で「YES」 こんなに簡単に決まってしまうものなんですね。

 

大まかなビールの解説は公式のリリースをご参照いただくとして

いつも通り、このブログではブルワー視点での解説を書いていきたいと思います。

 

使用したモルト、ホップはこんな感じです。

モルト:2Row、Wheat、Chocolate、Black、Acid

ホップ:Millennium、Merkur、Styrian Golding Bobek、Simcoe、Sorachi Ace

いつものホップ混ぜ混ぜレシピからすると、かなりシンプルです。

しかし!変わった副原料を使用しています。それは・・・

 

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これと

 

あ

 

これ。

 

きな粉と黒蜜です。

どう考えても和菓子の原料ですが、その通りで実は和菓子からインスピレーションを得ました。

「今回のコラボでは何を造ろうかな~」なんて考えている時に、たまたま食べた山梨土産で有名な某和菓子。

たっぷりのきな粉と、濃厚な黒蜜。相性はばっちり。

これらをビールに入れるとどんな味??

さらにアメリカ原産のホップ「シムコー」と日本原産の「ソラチ・エース」をドライホッピングし

柑橘アロマのアメリカ~ンな仕上げにしてみました。

 

先日のKiller B Partyで先行開栓したのですが、お陰様で大好評でした。

多くの方に「スタイルは?」と聞かれたのですが、実ははっきり決まっていません。

一応無理矢理分類するとアメリカン・ストロング・ダークエールあたりに該当するのですが

そもそもスタイルあきりで造った訳ではないので、微妙におさまりが悪い感じです。

ブラックIPAのようでもあり、インペリアルポーターのようでもあり、バーレイワインっぽくもあったり。

ま、スタイルなんてどうでもいいんです。飲んでありのままを楽しんでください!

 

味わいは非常に複雑です。

冷たいうちは柑橘やミントを思わせるホップのアロマがたち、温度が上がるにつれて黒糖や黒麦芽由来の芳ばしい甘い香りが感じられるようになります。

特徴的なホップのアロマと黒蜜が混ざりあった香りはなんとも表現のしようがない、独特のアロマなのですが、どこか”和”を感じる香りになっていると思うのは、私だけかな。

温度変化によって、ホップから黒蜜へ香りの主役が滑らかに変化してゆく様子を楽しんでください。

 

口に含むと軽いロースト感と、しっかりしたクリアな苦味。

キレキレの後味で甘味はあまり感じません。そう、このビール甘くないんです。

きな粉、黒蜜、和菓子などの単語からは甘いビールを連想されるかと思いますが

そんな安易なイメージでは造りません。ひねくれ者なので。

West to East IPAの時の柚子や米のキャラクターと同様、副原料のキャラクターを前面に押し出すということは避けました。探してみると少し顔を覗かせる、それくらいが粋な和の心です。

というわけで、やや高めの温度で召し上がっていただく事をおすすめしています。

温度が上がってからがこのビールの真骨頂。

黒蜜の豊かな風味とホップの苦味のコントラスト。非常に複雑な味わいです。

 

しかし、いつも通り繊細な味のバランスを取るということを心がけて造りました。

雑味、オフフレーバーをしっかりと切るというのもいつも通り。

アルコール度数9.5%となかなかのハイアルコールなのですが、ドリンカビリティは高いです。

お食事と一緒にも楽しめるかと思います。

 

ビールの名前はCOEDONADO

日本語にするとちょっと変な響きですが、ブルワーPeteの発案です。

COEDOとCORONADOどちらもCOで始まってDOで終わる、というところからのアイデアです。

スタイルも不明だし、名前の不思議な感じでピッタリかなと思い、気に入っています。

 

COEDONADOの出荷開始は11月25日を予定しております。

ご案内までもう少しお待ちください。お楽しみに!

 

 

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Thank you Shawn, Peta, Ryan and Coronado crew !

It was a great time, great collaboration!

 

 

最後にこっそり。

実はSan Diegoでもう一度Coronado Brewingとコラボレーションすることが決まっています。

スケジュールはまだ未定ですが。こちらもお楽しみに!

 

 

November 8th, 2013 コラボレーション, リミテッドビール

日々考えている事 農作物ですから

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この写真はとあるワイナリーで見学させていただいた葡萄畑。

 

自分たちで原料を育てたり加工したりしているブルワリーもあるにはありますが、ビールの醸造者の多くはすでに加工された原料を使用してビールを醸造しています。

一方でワインの醸造者は自分たちでブドウを育てることが第一歩であり、むしろ第一歩どころかワイン造りの大部分は葡萄作りと言われたりもします。

 

果汁を買ってきて醗酵させるだけ、というワイナリーもある事は承知していますが、それについての是非を述べられる達場ではないので今回はスルーしてください!お話の本題でもないでの!

 

この違いは小さなことのように感じますが、大きな違いだと感じた出来ごとが最近ありました。

 

ワインの醸造者達は畑に足を運び、いつでも葡萄の様子を見ているので、自分達がワインを造る為の原料は「農作物」だと、常に意識せざるを得ない環境にあるのです。

農作物ですから、年によって良し悪しがありますし収穫できる量も品質もバラバラ。

これはもちろんホップや麦だって同じ事なのですが、加工された原料をメールや電話で注文して購入している我々(少なくとも植竹個人)は「原料は農作物である」という意識がやや希薄なのです。

 

これが差がとてもとても大きな違い。

 

実は今年はヨーロッパ産のホップが大不作なのです。品種によっては収穫量が例年の50%程度。

幸いにして我々は必要な量をきちんと確保できたものの、もし必要な量の半分しか手に入らなかったら、と考えると・・・。

農作物ですから、こういうことがあるというのは当然で、頭では分かっているつもりでした。

しかしいざ直面してみると大慌て。分かっているつもりになっていただけでしたね。

 

COEDOでは非常に沢山の種類のホップや麦芽を使用していますが、それはこういう事態を想定してのことでもあるのです。

 

原料の調達をひとつだけの国や地域、使用する原料を1種類だけ、というように限定してしまうと、それがダメになった瞬間全てがダメになってしまいます。品質が悪いならまだ良い方で、最悪原料が無くてビールが造れない!という事態も考えられますよね。

恐い恐い

使用する原料の種類を少なくすれば、在庫管理も発注も楽ちんなんですがね。

 

沢山の種類のホップを使っていれば、その中のどれかがダメでも、他のホップで補うこともできます。

そうすることで品質を限りなくベストの状態に近づけることが出来るかもしれませんし、もしかしたら、怪我の功名でさらに良いホップの組み合わせが見つかるかも。

そんな事を考えて、なるべく複数の種類のホップを使うようにしているのです。

 

また、複数のホップを使う事によって味わいや香りに深みを出すことも利点の一つです。

味、香りのレイヤーを重ねてゆくという考え方。そのうちブログに書きましょうね。

 

ただし不可の部分を、どんな原料を使って、どうやって補うか。

これはもう、ブルワーのセンスです。沢山の原料に触れて経験を積むしかない。

 

多様な原料を組み合わせ、自由なイメージで味わいを造りだせる。

これが他のお酒にはない、ビールの良さです。

 

ですから新しい品種のホップが出てくるとついつい買っちゃうんです。

そうこうしている内にCOEDOのホップ保管庫は、もはや植竹以外「何がどれくらいあるのか」把握出来ない状態になり果ててしまいましたとさ。

 

ただのホップマニアでは?という疑惑もぬぐい去れませんがね。

November 5th, 2013 日々考えていること

定番とはなんぞや?

foodpic4119615

 

ここ最近はCOEDOでもシーズナルビールやイベント限定ビールを造る事が多くなってきました。

今年だけでもHoppy WInd、East to West IPA、Imperial IPA、Belgian White、and more…

お陰様でどのビールもご好評いただいており、嬉しいかぎりです。

しかし実際のところ、普段我々の仕事の殆どは定番ビールを造ることなわけです。

 

定番ビール = いつでも飲める普通のビール

こんな風に捉えることもできると思います。しかし我々は

定番ビール = いつでも飲んで欲しいビール

と考えて定番ビールを造っています。

 

定番と限定、どちらに重きを置いているかという単純な比較はできませんが

少なくとも、定番だから手を抜くというようなことは全く無く、いつでも丁寧に丁寧に造っています。

 

ですから、実は定番ビールのレシピを変えるということは、殆どしていません。

工程の見直しや、バランスを取る為の微調整は常にしていますが

ビールの味そのものを大幅に変えるような原料の変更や、工程の変更は基本的にはしていません。

だって 「あ!このビール美味しい!」 と思っていただいたお客様がいたとして

「前に飲んで美味しかったから、また飲んでみよう!」と試してみたら

「なんだが前と味が違う!」なんて事になったらガッカリじゃないですか。

 

大きく味を変えず、少しずつ少しずつバランスを取りなおして、完成度をあげて行く。

これがCOEDOの定番ビールの造り方です。

ま、原料やレシピが同じでも毎回同じ仕上がりにはならないんですけどね。

そこが手造りの難しいところであります。

 

コレクション的に限定ビールばかり狙って飲むのも一つの楽しみ方ではありますが

今一度、定番ビールをしっかりと味わってみるというのもなかなか良いものですよ。

定番がいつでも美味しいブルワリーってなんか良いじゃないですか。

Stone IPAのように 「やっぱりこのビールはいつ飲んでも美味しいな」 って言ってもらえるような。

そういうところを目指していつでも努力を続けています。

November 1st, 2013 雑記

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