SPRING VALLEY BREWERY
TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.5(2015)
クラフトビール業界で話題のこのブルワリー 今回は KIRIN商品開発研究所所長 田山智広氏にお話を伺う事が出来た。
Q.「KIRINがクラフトに参入」と発表されてからの 反応はどうですか?
情報だけが先行しているので警戒するのはもっともで疑心暗鬼になるのも当然です。業界を踏みにじる気は毛頭無く我々大手が出ていく事でクラフトを知る人、マーケットそのものを大きくしていけたらいいなと思っています。少しずつ認知されてきたとは言え現状クラフトビールは一部の熱狂的なファンの支持があって支えられている。こんなにバラエティのある世界を知らない人が沢山いるのが勿体ないなと。
Q.クラフトビール好きですか?
私自身もクラフトビールのファンですが雰囲気・世界観が素晴らしいので大事にしたいと思っています。実際アメリカに行ってクラフトビールが凄い事になっているのは肌で感じていて、遅ればせながら去年初めてGABFにも参加しました。Falling Rock(デンバーの老舗ビアパブ)の活気や New Belgiumがあの規模でクラフトを作り続けている事にも度胆を抜かれましたね。ポートランドに行ったりもしていて色々買ってきては試飲しています。ミードやシードルも面白いなと。
Q.代官山・横浜のブルーパブについて
この規模だからこそ出来るチャレンジを考えています。規模が大きければ出来る量も多いので当然受け入れてくれる人達が多くなければならない。スモールバッチで醸造出来る事の意味を考えています。代官 山と横浜のブルーパブではクリエイティビティを発揮したものを作りたい。本気でクラフトをやろうと思っています。 定番ビールは 6種類。プロトタイプ 4種をブラッシュアップしたものに更に2種類加えます。Willyはザーツホップをふんだんに使ったボヘミアンピルス。我々のビール造りの原点でもあるし、KIRINとしての伝統も継いでいる、定番として別次元のモノを作っていきたい。たくさん飲んで最後にまた飲みたくなるビールはビールとして本当に価値があると思っている。「個性+量が味わえる」キリンのクラフトとして実現してみたい想いです。White Valleyは苦みが得意じゃない人向けの定番としてネルソンソーヴィンを使った華やかなケルシュ、スパークリングワイン的なニュアンスを狙っています。この二つを主軸に IPAタイプやフルーツビールタイプ、その他の定番数種に季節限定を含めてバラエティに富んだラインナップを提供していきたいです。有難い事にお客様の声も続々と返ってきています。プロトタイプはやや慎重にやりすぎたのでオープンに向けて個性を強化していきたいですね。
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