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PORTLAND OREGON USA

TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.10(2016)

2022年 11月 14日 10時 02分 投稿 335 Views

ポートランドのA級FOOD ×A級CRAFT BEERシーン

 日本でもクラフトビールが手に入り易くなったとは思いますが、アメリカでは更なる勢いで広まっており、大都市から小さな街までクラフトビール醸造所が立ち上がり美味しいビールを飲むことが出来ます。4〜5年前と比べるとアメリカのクラフトビール市場の拡大は目を見張るものがあります。しかし、ビール自体のクオリティが上がり広まる中、それに関連する重要な事が進んでいないのです。

 アメリカでクラフトビール醸造所のタップルーム、ブルーパブ、ビアバーを訪ねた経験がある読者の皆さんなら薄々勘づいているかも知れません。それはフードがそこまで美味しくないと言うことです。特にタップルームやブルーパブではビールがメインでありフードは重要視されません。その結果、バーガーやピザ、ナッツ、ポテトフライ、ナチョスなど簡単な代わり映えのないフードになってしまいます。そういったメニューを出す理由の多くは素材が安く、調理行程が少なく、気軽に注文出来てビールがより進むからです。

 もちろん「ビール天国」であるポートランドにもそういったB 級のパブフードが沢山ありますが、最近ではビールとフードのバランスをとるように、フードに対して従来とは違うアプローチをするブルワリーレストランが増え、本当に美味しいビールと共に本当に美味しいフードを提供することを目指し始めたのです。

 ポートランドのA 級ブルワリーレストランにはある共通点があります。

 前提として厳選された素材を使用することは当たり前なのですが、大事なポイントとしてローカルな素材を使用することが挙げられます。ポートランドのあるオレゴン州は豊かな土地で作られた農産物に恵まれているので美味しい旬な素材が簡単に手に入ります。その旬な素材によって作られるシーズナルメニューは今までのパブフードとは一線を画すクオリティです。

 そして、もう1つの共通点としてビールとフードのペアリングを提案しています。基本的に醸造されるビールはフードに基づいて造られる訳ではありません。しかしシェフはどのビールがベストペアリングになるかメニューを考えます。ビールありきでフードが確立されているのでブルワリーが片手間で経営するレストランとはあらゆる意味で違います。

 A 級ブルワリーレストランならオススメはBurnside Brewing 及びEcliptic Brewing です。フードは本当に美味しく、メニューは毎月のお勧めの食材に合わせて様々に替わります。あまりに美味しいのでビールを飲まないお客さんまで通い詰めてしまうほどです( 笑)

 また独自のキッチンが無い場合でも美味しいフードを提供するブルワリーもあります。例えばThe Commons Brewery は施設内に別社のチーズショップを併設しています。シンプルなメニュー(チーズ、サラミ、フランスパンなど)なので簡単なB 級パブフードだと思われがちですが、全ての素材は厳選された高級なものであり上品な味の素晴らしいクオリティです。勿論、クラフトビールとのペアリングも提案してくれます。

 またポートランドはフードカート( 屋台) も有名なので、その他キッチンの無いブルワリーもビール好きのベンダー( 屋台の店主)と提携して美味しいフードを提供する場所が増えています。


A 級料理のオススメのポートランドブルワリー

■ Burnside Brewing
www.burnsidebrewco.com

■ Ecliptic Brewing
www.eclipticbrewing.com

■ The Commons Brewery
www.commonsbrewery.com

 

レッドギレン
8年間日本に住んでいた経験を活かし現在オレゴン州に日本語解説付きのビール・ワインの醸造所ツアーを企画運営。オレゴンビール専門HP「オ州酒ブログ」も絶替更新中
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