2026年 酒税法改正はクラフトビールにどんな影響を与えるのか

CRAFTBEER TAX WARS を深掘りします

日本に巻き起こる「クラフトビール革命」そして 今 世界中のビール業界に押し寄せているのが「ビール戦争」

さらに 日本では 大蔵省とビール業界に「酒税戦争」が長きに渡って繰り広げられています。その起源は1894年に起こった日清戦争と言われていますので、1339~1453年英王と仏王の百戦争(Hundred Years' War)に例え、131年もの長きに続く「百年戦争」と言えるかも知れません。

戦争が決めたビール税、長い歴史があります。

BEER HISTORY

日清戦争(約1.5億円)の8倍以上となる約17億円の戦費が必要とされた1904(明治37)年2月から1905年9月にかけて大日本帝国とロシア帝国との間で行われた日露戦争 で、空っぽになった国庫を大蔵省が地租の増税よりも容易だった酒税をターゲットにした時から始まったのが国と酒メーカーの酒税戦争です。戦費調達がビールの税金を決めたと言われています

ビール業界が酒税法の定義の隙間を縫って安価な新商品を開発し、大蔵省がそれを増税で抑え込もうとする構図が、数十年間にわたり続きました。 

日本の税制史における典型的な「いたちごっこ」の歴史です。

2020年10月から段階的な改正(酒税の統一)が進められている改正が その最終段階が遂に2026年10月になります。

その発表があったのが8年前ぐらいでしたか?長かったと言えば、長い月日でした。

第1段階: 2020年10月〜
ビールは減税(350mlあたり70円→63.35円)
新ジャンル(第3のビール)は増税(37.8円→46.99円)。
第2段階: 2023年10月〜
ビールはさらに減税(63.35円→54.25円)。
発泡酒は税率据え置き(46.99円)。新ジャンルはさらに増税(46.99円→54.25円)。これにより、ビールと新ジャンルの税率が統一されました。
第3(最終)段階 : 2026年10月
ビール、発泡酒、新ジャンルのすべての税率が350mlあたり54.25円に完全に統一されます。

それを図にまとめると

財務省https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d08.htm

2026年10月の改正で、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税はすべて「54.25円」に一本化されます。

  • ビールは 減税(-9.10円)
  • 発泡酒は 増税(+7.26円)
  • 新ジャンルは 大幅増税(+16.45円)

これに先立ち 2025年9月29日、サントリー株式会社のビール事業マーケティング説明会が行われ、サントリーは「第3のビール」として販売してきた「金麦」を2026年10月以降、ビール化することを正式発表しました。

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2007年に誕生した金麦は、麦の旨みを活かした飲みごたえとすっきりした後味を追求し続けてきました。
2025年時点でも年間3,000万ケース規模を維持し、家飲み需要を牽引しています

金麦は従来「新ジャンル(発泡酒②)」に分類されていましたが、このままでは大幅増税の対象になってしまう。そこで 「金麦をビール化」することで、価格面の納得感を保ちながらブランド価値を強化する、という戦略なのです。

ビールの条件は「麦芽比率50%以上」。
金麦は従来25~50%未満の「発泡酒②」に分類されていましたが、ビール化にあたり麦芽比率を過去最大水準まで引き上げます。

ビールの授業

発泡酒の誕生は、1990年代前半にビールの低価格競争が始まったころと言われています。ビールの高い税率に該当しない発泡酒の登場は、家計の救世主として一気に全国に広がりました。しかし、その後の酒税法の改正により、発泡酒の税率もどんどん引き上げられていくこととなります。そこで誕生したのが、第3のビールです。2000年代前半ビールにも発泡酒にも該当しない新しいジャンルのビールとして人気を博しました。

この流れに、キリンも即行動に出ました

2026年下半期に第三のビール「本麒麟」の麦芽の配合を変えてビールに変更すると発表しました。

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日本でビールに酒税がかけられたのは1901(明治34)年のこと。当時、ビールは文明開化と共に日本に浸透した贅沢品でした。時代は変わり、より低価格で提供するためにビールメーカーが努力を重ねて開発したのが、麦の使用率を下げた発泡酒や「新ジャンル」と呼ばれる飲み物でした。

そして1994年の規制緩和を伴う酒税法改正は、日本のビール産業において「地ビール(クラフトビール)」が誕生する決定的な転換点となりました。

『造り手(醸造者)』と『飲み手(消費者)』は時代とともに進化した30年。
この2026年の酒税法改正を追い風にするためにTRANSPORTER編集部も全力で応援します。

クラフトビールのことをしっかり知り、しっかりと伝える。それが私達の使命でもあります。

酒類製造免許を取得し、クラフトビールの製造を開始したら注意しなければならないのが「酒類の販売数量等報告書」の提出です。
酒類販売業者は、お酒の販売数量や在庫数量を記入した報告書を、一年ごとに所轄の税務署へ提出することが酒税法によって義務付けられています。

編集長

これからクラフトビール事業を計画されている事業社様 ぜひご相談ください

info@craftbeertransporter.com

金麦の情報 

https://www.suntory.co.jp/beer/kinmugi

本麒麟の情報

https://www.kirin.co.jp/alcohol/beer/honkirin

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