
8 July2026 vol.153
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海外ブランドが市場を切り拓いた時代から、日本のブルワリーが世界へ挑戦する時代へ。
クラフトビールファンに衝撃が走った。
ブリュードッグ・カンパニー・ジャパン株式会社(2021年2月創業)は、2025年9月末で日本国内での業務を終了し、取り扱い商品の終売を案内した。
日本で長年親しまれてきた「PUNK IPA」をはじめとするBREWDOGブランドは、多くのビアバーや酒販店、そしてクラフトビールファンにとって特別な存在だっただけに、この知らせは一つの時代の終わりを感じさせるニュースとなった。

「クラフトビール」という言葉を広げた存在
BREWDOGは、2007年にスコットランドで創業したクラフトブルワリーだ。
「PUNK IPA」をはじめ、常識にとらわれないビール造りと大胆なブランディングで世界中にファンを獲得。日本でもクラフトビールが現在ほど浸透していなかった時代から、多くの人に”クラフトビールとは何か”を伝えてきたブランドの一つだった。
IPAというスタイルを初めて飲んだビールがBREWDOGだったという人も少なくない。
飲食店では「まずはPUNK IPAを置こう」という時代があり、酒販店でも海外クラフトビールの代表格として棚に並び続けた。
日本のクラフトビール文化を語る上で、BREWDOGの存在は決して外せない。
日本市場が変わった
一方で、日本のクラフトビール市場はこの10年で大きく変化した。
かつて海外クラフトビールは”珍しいもの”だった。しかし現在では、日本全国に数多くのブルワリーが誕生し、それぞれが個性的なビールを醸造している。
世界大会で受賞する日本のブルワリーも増え、品質は世界トップレベルへと成長した。
さらに円安による輸入コストの上昇、物流費や原材料価格の高騰など、海外ブランドを取り巻く環境は年々厳しさを増している。

以前は「海外だから売れる」時代だった。
しかし今は、「どんなストーリーを持つブルワリーなのか」「誰が造ったビールなのか」「地域とのつながりがあるか」といった価値が重視される時代へと変化している。
飲食店・酒販店にも影響
BREWDOGを長年扱ってきたビアバーや酒販店にとっても、日本法人の業務終了は小さくない出来事だ。
定番商品として販売してきた店舗では代替商品の選定が必要となり、輸入ビールのラインナップを見直す動きも出てくるだろう。
一方で、この変化は日本のクラフトブルワリーにとって新たなチャンスでもある。
これまで輸入クラフトビールが担ってきたポジションを、日本のブルワリーが埋めていく可能性は十分にある。
BREWDOGが残したもの
今回終了するのは、日本法人の業務であり、BREWDOGというブランドそのものがなくなるわけではない。
今後、輸入体制や販売方法が変更される可能性もあり、日本で再びBREWDOGのビールに出会える機会はあるかもしれない。
それでも、日本法人として築き上げてきた歴史には一区切りがつく。
BREWDOGは、日本にクラフトビール文化を広めた立役者の一つだった。
大胆なデザイン、挑戦的なマーケティング、そして「ビールはもっと自由でいい」というメッセージは、多くのブルワリーやビアバー、そしてファンに影響を与えてきた。
Transporter的視点 それは 日本のブルワリーが世界へ挑戦する時代になったということ
クラフトビールは今、転換期(Turning Point)を迎えている。
海外ブランドが市場を切り拓いた時代から、日本のブルワリーが世界へ挑戦する時代へ。
だからこそ、今回のニュースは「一つのブランドが終わる」という話ではない。
日本のクラフトビール文化が次のステージへ進む、その節目として受け止めたい。
BREWDOGが日本に残した足跡は、これからも多くのブルワリーやビールファンの中で生き続けるだろう。
そしてTransporterは、その新しい時代を歩むブルワリーやビアバー、人々の挑戦をこれからも伝えていきたい。

この「TAJI JARNAL」とマークされているテキストは 本誌編集長田嶋伸浩が執筆しております。

【略歴】
2013年よりクラフトビール専門誌『TRANSPORTER BEER MAGAZINE』発行人となる。
2017年ベルギー発修道院ビール『CHIMAY』と契約、ジャパンマーケテングを担当。その後もクラフトビール業界において幅広く活動、会社顧問商品開発、店舗開発,コンサルティング、ブランドプロデユース、デザイン、広告、関連の仕事を数多く行なっている。
2018年伊勢角屋麦酒顧問就任
2019年FAR YEAST BREWINGアドバイザリー就任
2021年鎌倉ビール顧問就任
FAR YEAST BREWING TOKYO 店舗開発
伊勢角屋麦酒 八重洲店・新宿店・新橋店 店舗開発
株式会社なんつね飲食部門オリジナルビール企画店舗監修
BLACK TIDE BREWING 合同会社 代表社員
株式会社FUKUOKA CRAFT 代表取締役
株式会社ライフコーポレーションでのオリジナルビール企画、デザイン。
スーパーマッケット オオゼキでのオリジナルビール企画
株式会社RETTY でのクラフトビールイベント企画。
株式会社日テレ7でのオリジナルビール企画、アドバイザリー。
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