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1 July 2026 vol.141

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2026年3月20日の「TRANSPORTERWEB版リニューアル以降 100号を更新することが出来ました。(6月末で140号)これもひとえにみなさまのお陰です。ありがとうございます。そこで2014年の創刊以来過去人気の高かった(アクセス数が多かった)記事を再編集して お届けします。それがこの「再編集編」です。

以下再編集編 ぜひお読みください 

 

トラピストビールというと少し古いイメージを持つかたもいらっしゃるでしょうか。しかしベルギービールを語る上で絶対に外せない存在です。

 

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シメイの最高峰と言われるシメイブルー、大瓶はグランドレゼルブと呼ばれます。ベルジャントリプルの元祖と言われるウエストマーレトリプル、唯一無二の存在オルヴァル、濃厚かつ奥深いロッシュフォール10、そして幻とも言われるウエストフレテレン12、どれをとってみても不朽の名作です。

文字通りどんなに時間が経っても色褪せない、他の追随を許さないビールたちでしょう。私ももれなく全部好きですね。色々と新しいものも飲みますし輸入もしていますが、トラピストビールは必ず定期的に飲みたくなるし、ベルギービールの美味しさを再認識するビールです。日本だと状態の良し悪しも気になるので、ベルギーに行った時に飲むことが多いですが。 

編集部

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トラピストビールはベルギーに6つ、オランダに1 つ、とつい最近まで言われていた気がします。

ちょうどこの記事を書こうと思っていたところイギリスで新たにトラピストビールが誕生したというニュースが入ってきました。Mount St. Bernard、どこかで聞いたことのある名前ですが。こちらも比較的新しいトラピストビール、アメリカのスペンサーではなんとIPA が発売され、ピーチセゾンのようなフルーツシリーズも出ているようです。賛否両論はあるとして、トラピストビールもここまで来ているのですね。

イギリスにも独自のビール文化があるわけですから、すごく興味深いです。アメリカでIPA が発売されたようにイングリッシュビターのようなスタイルがトラピストビールで出てくるのでしょうか、どちらにしても楽しみです。

現在は、ITA(The International Trappist Association)のページに出ている、トラピストビールを造っている修道院は全部で13 あります。フランスのモンデカはシメイに醸造を委託しているのでトラピスト認証マークはないですが、ITA のページには記載されています。それを含めると14 です。

かつて門外不出と言われていたシメイのブラックも発売されましたし、絶対樽は造らないと言っていた(少なくとも私は昔聞いた)シメイブルーも樽が出ていますね。少し前では考えられなかったことです。トラピストビールも変化を求められる時代なのでしょう。

 そもそもトラピストビールはベルギービールの1 カテゴリーではありますが、醸造所によって全く異なります。他のベルギービールでも醸造所によってそれぞれに特徴があり、全部異なるのですからあたり前といえばあたり前です。

興味を持っていただけたらと思うので、歴史や醸造所に関することを少し書いておきますが、調べればすぐにわかりますので簡単に。

トラピストビールの条件というものがあります、修道院の敷地内で醸造していること、修道士が醸造に関わり商品に関する決定権は修道士が持っていること、利益は修道院の運営に使われ、余りは慈善事業に使われること、です。

 またよく聞かれるのは修道士がお酒飲んでいいのですか?ということですが、ビールはキリスト教、修道院の広がりと関係がとても深く、中世たくさんの修道院がビールを造りました。液体のパンと言われているのは有名な話。断食の際にはビールを飲んで栄養を補給し、修道院を訪れる人々に対しては水よりも安全な飲み物であるビールが振る舞われていました。これは本当かどうかわからないですが、位の高い修道士ほどアルコールの高いビールを飲むことができたなんていう話も聞いたことがあります。

 ベルギービールウィークエンドではサンミッシェル大聖堂で醸造家の守護聖人Saint-Arnould に祝福を捧げるセレモニーが行われたあとに会が始まります。実際に司祭が登場しますし、建物やステンドグラス、全てが荘厳な雰囲気で圧倒されます。かつての神聖ローマ皇帝カール5 世は‘I prefer the juice of the ear of the corn, better than the blood of grapes.’ぶどうの血(=ワイン)よりも穂のジュース(=ビール)のほうが好きだと言ったという伝説もあるそうです。

 

実は私、ベルギーには何度も足を運んでいますが、だいたいスケジュールを詰めてもちろん仕事で行くので、まともな観光をしたことがほとんどありません。(ビールはもちろん飲みます)比較的行きにくい場所にあるトラピスト修道院にも行ったことがありません。ただ一度、アポイントをとった醸造所に行く途中にウエストマーレがあったので、通ったことがあります。もちろん中には入れなかったのですが、はじめにその大きさに驚きました。外から見ると、ウエストマーレの名前の入ったプラスチックのケースや空樽がものすごい高さでものすごい量積み上げられていました。修道院というよりも工場といった様相。

 修道院から道を挟んで向かいにビアカフェがあるので、昼食がてら入ってみました。もちろんビールのクオリティは素晴らしいのですが、やはり、若い。トラピストビールに関してはフレッシュさをあまり求めてはいけないような気がします。瓶内二次熟成されたボトルのほうが奥深い味わいで、美味しいことがしばしばです。

 あともう一つ驚いたのはウエストマーレトリプルとダブルのハーフ&ハーフがあったこと!昔はベルギービールを混ぜるなんてもってのほかと思っていましたが、この気軽さがやっぱりビールのいいところですよね。しかも美味しいんですこれが、笑。そのビアカフェの一番のおすすめだったようで、地元の人も多く訪れていました。

 余談ですが、ベルギーはレストランに行くと1品の量がものすごく多いので、軽めな魚料理を頼むことが多いのですが、ここでも大正解。一緒に行ったスタッフはやめておけばいいのにマカロニチーズ的なものを注文し多すぎて苦しんでいました。

 日本ではどうしてもドリンカビリティの高いもの、気候やアルコールの耐性もあるとは思いますが、軽いものを選ぶ人も多いと思います、特に夏は。ビールを提供するお店に行くとおそらくよく聞くのは「飲みやすいですよ」というスタッフのおすすめ。

 アルコールがある程度低めでゴクゴク飲める、「飲みやすい」が主流だと思いますが、バランスが良くて飲みやすいもあると思うんですね。私がブラッセルズで働き出した頃、トラピストで言えば始めは飲むたびに発見があるオルヴァルにハマったのですが、その次はロッシュフォール10 にハマった時期がありました。お客さまに「飲みやすいですよ」とおすすめして飲みにくいと怒られたことがありました。でも本当飲みやすいんですよ、11%以上ありますけども。アルコールの高さを感じさせない。これはウエストフレテレンにも言えますね、憧れて憧れて初めてベルギーで飲んだ10 年前には感動しました。当時日本に輸入されていたものとは別物でした。最近もベルギーで新しいものを飲む機会に恵まれましたが、本当に素晴らしいビールでした。スイスイ飲める飲める、笑。アルコール度数は高いんですよ。日本でも有名なデュベル(悪魔)なんかはハイアルコールでも飲みやすい典型ですね。

 いつかは全てのトラピストビールの修道院に行ってみたいですが、現地に行かずとも思いを馳せて、ゆっくりグラスを傾けるのもいいのではないかなと思っています。トラピストビールにご興味のある方は以下のページもぜひご覧ください。

ITA

The International Trappist Association( ITA)
https://www.trappist.be/en/about-ita/

 本来ビールは多様性が一番の魅力ですので、ゴクゴク飲むものばかりでなく、こうしたそれぞれが個性的なトラピストビールを飲むことも新しいクラフトビールの扉を開くきっかけになるかもしれません。これからの秋、冬もさらにトラピストのようなビールが美味しくなる、楽しみな季節です。

※このテキストは編集部が原稿を構成しています。写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。