16 July 2026 vol.164

新鮮な情報を 最高の鮮度で毎日更新 

Fresh information, updated daily with the highest quality.

アメリカではハードセルツァーHard Seltzer/アメリカ発祥の「アルコール入り炭酸水)でがビール市場を大きく変えました。しかし、日本では同じ現象は起きませんでした。

その最大の理由は、日本にはすでにRTD(Ready To Drink)という巨大な市場が存在していたからです。

© 2007-2026 Kirin Holdings Company, Limited.

例えば、キリンの「氷結」、サントリーの「-196(イチキューロク)」、宝酒造の「焼酎ハイボール」、アサヒの「GINON」などは、果実感と炭酸、飲みやすさを兼ね備えた商品として長年親しまれてきました。アメリカでハードセルツァーが提案した「軽く飲める低糖質アルコール」という価値は、日本の消費者にとって決して新しいものではなかったのです。

Copyright TAKARA SHUZO CO.,LTD. ALL Rights Reserved

一方で、アメリカでは事情が異なります。ビールかワイン、蒸留酒が中心だった市場に、「低カロリー・低糖質・爽快感」を武器にしたハードセルツァーが登場し、2018年にはビール市場のわずか0.4%だったカテゴリーが、2025年には約10%を占めるまでに急成長しました。

https://www.sphericalinsights.com/jp/reports/north-america-data-centre-server-market
引用:https://www.globalresearch.co.jp/reports/japan-rtd-alcoholic-beverages-market/

しかし日本では、すでに氷結や-196がその役割を果たしていました。そのため、「ハードセルツァー」という新しい名前だけでは市場を大きく動かすことはできませんでした。

むしろ現在の日本市場で伸びているのは、「無糖RTD」です。

キリンでは「氷結®無糖」が2020年の発売以来、同社RTDの売上No.1ブランドへ成長し、2026年2月時点で累計18億本を突破しています。(⁠キリン)

© 2007-2026 Kirin Holdings Company, Limited.

サントリーでも「-196 無糖」シリーズが二桁成長を続け、同社のRTD事業を牽引しています。さらに、果実感を強化した新しい「-196」シリーズや「THE PEEL」などを投入し、ビールユーザーも取り込む戦略を進めています。(⁠Suntory)

市場全体を見ても、日本のRTD市場は2023年以降3年連続で成長を続けており、その最大の牽引役は「無糖」カテゴリーです。(⁠nikkankeizai.co.jp)

つまり、日本で今後伸びるのは「ハードセルツァー」というカテゴリーではありません。

アメリカ市場を開拓する
「マルハイ」の誕生/引用:https://www.suntory.co.jp/recruit/media/articles/000211.html

伸びるのは、「無糖」「低糖質」「本物の果実感」「プレミアムRTD」という価値です。

アメリカのクラフトブルワリーはハードセルツァーを造ることで新しい市場を開拓しました。

一方、日本のクラフトブルワリーが目指すべきなのは、ハードセルツァーをそのまま真似ることではありません。

例えば、地元産の柑橘やハーブ、スパイスを使った無糖RTDや、蒸留酒・焼酎・ジンを活用したクラフトRTDなど、日本ならではの素材と技術を生かした商品づくりです。

これからの競争相手は「ビールメーカー」だけではありません。氷結や-196のような巨大RTDブランドとも共存・差別化しながら、「クラフトだからこそ表現できる味」を提供できるブルワリーが、新しい市場を切り拓いていくでしょう。

KAMAKURA CRAFT GIN TSUYU

鎌倉五山の一つである浄智寺(鎌倉市山ノ内)の井戸水を使った蒸留酒「鎌倉クラフトジン露(つゆ)」が、全国のバーテンダーや酒販店などが審査する国際品評会で最高金賞に選ばれた。

記事引用:https://www.asahi.com/articles/ASTDJ4JXBTDJULOB00VM.html

※写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。