한국 크래프트 맥주, 무더위 뒤에서 일어나고 있는 '겨울 시대' 대기업 양조장이 잇따라 도산, 그리고 '진흙 맥주'가 나타내는 다음 가능성

29 August 2026 vol.246

週末も 美味しい乾杯 朝からビール?

猛暑の韓国でクラフトビール業界に吹く「冷たい風」


韓国で記録的な猛暑が続いている。

最高気温が42度を超える地域も出るなか、本来ならビールにとって絶好の季節だ。

ところが、その暑さとは裏腹に、韓国のクラフトビール業界には冷たい風が吹いている。 数年前まで「韓国の次なる成長産業」とまで期待されたクラフトビール市場が、いまや「冬の時代」を迎えている。 象徴的なのが、クラフトビール企業の相次ぐ経営破綻だ。

Spherical Insights & Consulting が公表した研究報告は大きく外れた/https://www.sphericalinsights.com/jp/reports/south-korea-craft-beer-market

2026年4月には、韓国クラフトビールを代表する存在の一つだったAmazing Brewing Companyがソウル回生法院から破産宣告を受けた。同社は2025年8月に回生手続きを申請し、買収先を探していたものの、最終的にM&Aが成立しなかった。

2016ー2025

そして、その少し前から経営不振が表面化していたのが、「곰표밀맥주(コムピョ・ウィートビール)」で一躍有名になったSevenbrauだ。

チェジュビール ウィットエール 

2025年にはSevenbrauの子会社、Sevenbrau Yangpyeongにも破産宣告が出された。

2024年には同工場がグループ全体の生産量の約29%を担っていたという。 なぜ、あれほど勢いのあった韓国クラフトビールが、ここまで苦しくなったのだろうか。

「韓国のクラフトビールはこれから伸びる」 少し前まで、業界の空気はまったく違った。

韓国のクラフトビール市場は2017年の約433億ウォンから、2020年には1180億ウォンまで拡大した。 わずか3年で約2.7倍。 2021年当時、韓国クラフトビール協会は2023年には3700億ウォン規模まで成長すると予想していた。

韓国のクラフトビール成長の象徴はコンビニだった。その結果、特別感は消え、「日常の商品」になった。

この成長を象徴したのが、コンビニだった。 それまで韓国のクラフトビールは、ビール専門店やパブ、ブルワリー併設店などで飲む「少し特別なビール」だった。

ところがコンビニの棚に並ぶようになると、状況が一変する。 いつでも買える。 しかも、大手ビールと同じ冷蔵ケースに並んでいる。 クラフトビールが一気に「日常の商品」になった。

2020年にはGS25(韓国発祥の最大手コンビニアチェーン)でにおけるクラフトビールの販売比率が10.6%まで上昇し、2021年5月には13%に達したというデータもある。

クラフトビールは「面白い缶」になっていった

CU(元々は日本のファミリーマートでしたが、現在は独自の韓国ブランドコンビニチェーンとして展開しています)でもクラフトビール販売が前年同期比376.3%増加するなど、まさにブームだった。

そして、そのブームを決定的にしたのが「コラボレーション」だった。 「クラフトビール=面白い缶」の時代 代表的なのが 小麦粉ブランドの「곰표(コムピョ)」とSevenbrauが組んだビールは、単なるクラフトビールではなかった。 小麦粉のブランドとビール。

「곰표밀맥주」

この意外性。 そして白熊を思わせるキャラクターと独特のパッケージ。

SNSで話題になり、コンビニで売れる。 その成功を見て、韓国では次々と異業種コラボが生まれた。 靴磨き用品、歯磨き粉など、普通ならビールとは結びつかないブランドまでビールになった。 これはクラフトビールの認知を広げるという意味では、大きな成功だった。

しかし、同時に別の問題を生み出した。

「ビールの味」よりも「話題性」と「価格」が競争軸になってしまったのだ。 「4本で1万ウォン」がクラフトビールを変えた コンビニでビールを売る。 これはブルワリーにとって非常に魅力的だ。 一気に大量販売できる。 全国の店舗へ流通できる。

低価格競争・大量生産・賞味期限の長期化・値引き合戦、果たしてこれでクラフトビールなのか?

しかし、その裏側には厳しい条件がある。 低価格。 長い賞味期限。 安定した供給。 大量生産。 そして、欠品しないこと。 クラフトビール本来の価値は、 「このブルワリーだから飲みたい」 「この土地だから飲みたい」 「このホップだから飲みたい」 というところにある。 ところがコンビニの棚では、 「どれが一番安いか」 「どれが面白いか」 「4本でいくらか」 という競争になる。 韓国では「4本で1万ウォン」といった値引き販売がクラフトビールの定番となり、消費者の中にもクラフトビール=安く買える缶ビールというイメージが形成されていった。

さらに価格を合わせるために副原料の比率を高めたり、賞味期限を延ばすために殺菌工程を採用したりすることで、クラフトビール本来の味わいや品質が損なわれたという業界関係者の指摘もある。

「大衆化」と「大衆価格商品」の違いが加速させた消費者によるクラフトビールからの「次の酒」探し。

ここに、韓国クラフトビールの大きな矛盾があった。

クラフトビールを大衆化することには成功した。 しかし、 クラフトビールを「大衆価格の商品」にしてしまった。 この二つは似ているようで、実はまったく違う。 ブームの終わりを早めた「次の酒」 そして2022年頃から、消費者の興味は別の方向へ動き始める。

ハイボールやウイスキーなどだ。 韓国では若い世代を中心に酒の楽しみ方そのものが変化している。 ビールだけを大量に飲む。 そんな飲み方から、 食事に合わせる。 カクテル的に楽しむ。 強い酒を少量飲む。 SNSで話題の商品を試す。 というように、酒の選択肢が増えていった。 クラフトビール市場は、競合するビールだけを相手にしていたわけではない。 酒そのものの消費時間を奪い合っていたのである。 韓国メディアも、2021年をピークにクラフトビールの勢いが弱まり、2022年以降はハイボールやウイスキーへの消費者の関心移動がブームの終焉を早めたと報じている。 そして「日本のビール」が戻ってきた もう一つ見逃せないのが、日本製ビールの復権だ。

2019年、日韓関係の悪化を背景に韓国では「No Japan」と呼ばれる日本製品不買運動が広がった。

ソウルで数百人が反日集会 輸出規制強化に抗議

ビールもその対象となった。 当時、日本のビールは韓国の輸入ビール市場で大きな存在感を持っていたが、不買運動によって販売が大きく落ち込んだ。 一方、韓国産クラフトビールにとっては、これは追い風だった。 日本のビールが棚から消えた。

その空いたスペースに韓国産クラフトビールが入った。 さらにビール税制の変更も、韓国産クラフトビールの価格競争力を高めた。 2020年頃には韓国産クラフトビール市場が1180億ウォンまで拡大するなど、国産クラフトビールにとって非常に大きな成長機会になった。

しかし、その状況は永遠には続かなかった。 日韓関係が改善し、日本製品への拒否感が薄れると、日本のビールが再び韓国市場へ戻ってきた。 そして戻ってきた日本のビールは、単なる「輸入ビール」ではなかった。 品質が安定している。 ブランド力がある。 大規模な生産能力を持つ。 物流網も強い。 そして何より、消費者にとって「知っている味」だった。 クラフトビールが価格競争に疲弊している間に、日本の大手ビールが再び棚を取り戻していった。 韓国メディアも、日本製品不買運動後の日本ビールの回復が韓国クラフトビールをさらに圧迫した要因の一つとしている。 「大きくなれば勝てる」というクラフトビールの罠 韓国クラフトビールのもう一つの問題は、急成長した市場に対して、生産能力を先に拡大してしまったことだ。 2021年、Jeju BeerのCEOは、韓国には約150のクラフトビールブランドがあり、生産能力はすでに需要を上回っているとの認識を示していた。

同社自身も済州島の生産施設に約600億ウォンを投資していた。

つまり、

「もっと売れる」

「もっと作れる設備を作る」

「コンビニで全国販売する」

↓ 「大量生産する」 という成長モデルだった。

これは市場が伸びている間は非常に合理的だ。 しかし、市場が止まった瞬間に逆回転する。 設備は止めてもコストがかかる。 人件費は発生する。 タンクは空いていても減価償却は続く。 缶や原料を大量に仕入れていれば在庫になる。 そしてコンビニ向けの商品は、棚を維持するために値引きが必要になる。 売上が減っているのに、固定費は減らない。 これがブルワリー経営を一気に苦しくする。 SevenbrauとAmazing Brewing Company その構造を象徴するのがSevenbrauだ。 「곰표밀맥주」で韓国クラフトビールブームを象徴する存在となった同社は、2025年5月に回生手続きを申請した。

Sevenbrau

さらに同年9月、子会社Sevenbrau Yangpyeongが破産宣告を受けた。 2024年の同工場の生産量は856㎘で、Sevenbrau全体の約29%を占めていた。 同社の2025年資料を見ると、Yangpyeong工場は資産約53.6億ウォンに対して負債約73.4億ウォン、純資産は約19.8億ウォンのマイナスとなっていた。 これは単なる「人気商品の終了」ではない。 設備投資をして大量生産に対応したクラフトビール企業が、需要の変化に耐えられなくなったということだ。 そして2026年4月にはAmazing Brewing Companyが破産した。

2016年創業の同社は、韓国クラフトビールを代表するブルワリーの一つだったが、2025年に経営難から回生手続きへ入り、M&Aによる再建を目指した。

しかし買い手を見つけられず、最終的に破産となった。 現在も韓国法院の公告には、Amazing Brewing Companyの株式や車両、備品などの資産売却公告が掲載されている。 クラフトビール業界の「成長物語」が、今度は「資産処分」という現実に変わったのである。 それでも、クラフトビールは終わらない ここで重要なのは、 韓国のクラフトビールが終わったわけではない。 ということだ。 終わりつつあるのは、 「コンビニで大量販売することを前提としたクラフトビール」 なのかもしれない

そのことを象徴するような存在が、保寧のだ。 泥ビールという、とんでもなくローカルなビール 韓国西部、忠清南道の保寧。 毎年夏に開催される「保寧マッドフェスティバル」は、韓国を代表する観光イベントの一つだ。 ここで注目を集めているのが、泥をテーマにしたビールである。 開発したのは保寧出身の起業家、林菜琳(イム・チェリム)さん。 大学在学中から開発を始め、干潟の泥を焼き固めて加工した素材を使い、水を濾過することでミネラルを含んだビールを作ったという。

写真引用:産経新聞https://www.sankei.com/article/20260827-XYB6PW4KXBNRBPJWCG4P6BB354/

販売開始は2023年。 売上高は初年度の1億4000万ウォンから伸び、2026年には10億ウォンを超える見通しだという。 ここで面白いのは、泥ビールがコンビニ市場の価格競争から距離を置いていることだ。 「全国のコンビニで4本1万ウォン」 ではない。 「保寧だから飲む」 という理由がある。 クラフトビールの価値は「珍しい原料」だけではない 泥ビールの面白さは、単に泥を使っていることではない。 重要なのは、 「その土地でしか成立しない理由」をビールに組み込んでいることだ。 保寧には泥がある。 泥祭りがある。 観光客がいる。 地域のストーリーがある。 そして、その土地を訪れた人が、 「せっかくだから飲んでみよう」 と思う。

https://www.konest.com/contents/news_photo.html?id=8560

これはコンビニで全国販売するビールとは全く違うビジネスモデルだ。

クラフトビールの本来の強みは、 「大量に作れること」 ではない。 「大手が真似しにくい理由を持っていること」 にある。 日本の「地ビール」とも重なる この構造は、日本のクラフトビールにも通じる。 日本では1994年の酒税法改正によって小規模醸造が事実上可能になり、「地ビール」ブームが始まった。

その後、一度はブームが沈静化したものの、2000年代以降、クラフトビールとして再び成長。 現在では全国に数多くのブルワリーが存在する。 しかし日本でも、すべてのブルワリーが全国販売を目指しているわけではない。

すべてのブルワリーが全国販売を目指しているわけではない。

むしろ、 地域。 飲食店。 観光。 農産物。 文化。 コミュニティ。 こうしたものとビールを組み合わせることで、生き残るブルワリーが増えている。 韓国で起きていることは、日本のクラフトビール業界にとっても決して他人事ではない。 「クラフトビールの敵」は大手ビールではなかった 韓国の事例から見えてくる最大のポイントはここだ。 クラフトビールの敵は、必ずしもOBやHite Jinroなどの大手ビールメーカーではなかった。 むしろクラフトビール業界自身が、 「大手と同じ場所で、大手と同じ売り方をしよう」 としてしまったことにある。

コンビニに並ぶ。

大量に作る。

安く売る。

全国に流通させる。

広告を打つ。

コラボする。

SNSで話題を作る。

一見すると、これはクラフトビールの「成功モデル」に見える。

大手ビールメーカーとの「棚」争いに巻き込まれないために

しかし、このモデルに乗った瞬間、クラフトビールは大手ビールメーカーだけでなく、 ハイボール、 ウイスキー、 輸入ビール、 RTD、 ノンアルコール、 そして次々と登場する新しい酒 と同じ「棚」を奪い合うことになる。 そして棚を取るためには、価格を下げなければならない。 価格を下げるためには、原価を下げなければならない。 原価を下げるためには、生産量を増やさなければならない。 生産量を増やすためには、設備投資が必要になる。 こうして、 「クラフトビールを売るための成長」が、いつの間にか「会社を維持するための成長」に変わっていく。 では、これから何が残るのか 韓国のクラフトビール市場が教えてくれるのは、 「クラフトビールはもう売れない」 という話ではない。 むしろ逆だ。 大量販売型のクラフトビールが淘汰され、その土地、そのブルワリー、その人にしか作れないビールが残る可能性がある。

クラフトビールの未来は「そこでしか飲めない」価値

泥ビールは、その一例だ。 泥という原料が重要なのではない。 「保寧でしか飲めない理由」があることが重要なのだ。 これは、これからのクラフトビールにとって非常に大きなテーマになる。

「全国で売る」から「そこへ飲みに行く」へ クラフトビールの次の成長は、全国のコンビニの棚にあるとは限らない。 むしろ、 「その場所に行かなければ飲めない」 という価値の中にあるのかもしれない。 山のブルワリーなら、山の水。 農村なら、地元の麦や果物。 港町なら、魚や海産物。 観光地なら、その土地の文化。 祭りなら、その祭りのためのビール。 つまり、 ビールそのものを売るのではなく、その土地へ行く理由としてビールをつくる。 これなら、大手メーカーは簡単にはコピーできない。

韓国クラフトビールの「冬」は、次の春の準備なのか 2021年頃の韓国クラフトビールは、まさに「春」だった。 市場が急拡大し、コンビニに商品が並び、異業種コラボが次々に生まれ、IPOまで登場した。

しかし、急成長の裏側で設備投資と価格競争が膨らんだ。 そして市場が減速すると、その負担が一気に表面化した。 Sevenbrau。 Amazing Brewing Company。 そこに続く経営難。 韓国クラフトビールは、いま「冬」に入っている。 しかし、冬は必ずしも終わりを意味しない。 むしろ余分な設備、過剰な商品、過剰な値引き、過剰なコラボレーションが整理され、 「なぜ、このビールを飲むのか」 という原点に戻る時間になるのかもしれない。 そして、その答えを「保寧の泥」に見つけるブルワリーが出てきた。

クラフトビールの未来は、 「もっと安く、もっと大量に」 ではない。 「ここでしか飲めない」 「この人だから飲みたい」 「この土地だから飲みたい」 「この物語があるから飲みたい」 という価値なのではないか。

韓国のクラフトビール市場で起きている「冬」は、クラフトビールそのものの終わりではない。 それは、 “クラフトビールとは何なのか”を、もう一度問い直すための冬なのかもしれない。 そして、42度を超える猛暑の韓国で、いま最も熱いビールの一つが「泥ビール」だという事実は、何とも皮肉で、そしてクラフトビールらしい。

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