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AMERICAN BEER COLUMN #18 -年明けからHazy に埋もれよう!-

TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.25(2020)

2022年 11月 14日 10時 03分 投稿 328 Views
 トランスポーターをご愛読の皆様、新年おめでとうございます。2019 年の度重なる台風や大雨被害により被災された方々には、改めてお見舞い申し上げます。アメリカでも大きな自然災害がありました。クラフトビール業界の老舗、Sierra NevadaBrewing のお膝元、Butte(ビュート)郡をはじめとしたカリフォルニア州北部で発生した大規模山火事「キャンプ・ファイア」。当時、火の手はブリュワリータンクのすぐそばにまで迫り、一時はタップルーム、ブリュワリーのスタッフに避難指示が出て退避する事態に。自宅を失ったスタッフも少なく無い中、ブリュワリーのロビーやレストラン部分を自宅を失った地元の人々に解放して無料で料理を振る舞っていました。そんなButte 郡の人々を励ますために造られたビール「Resilience IPA」は、Sierra Nevada Brewing の社会貢献に賛同する全米、全世界のブリュワリーやビール関係者を巻き込み、クラフトビール業界として大きな軌跡を残しました。今年、2020 年は安全で平和に過ごせる1 年であって欲しいですね。

 さて、2020 年の話題はやはりHazy。ブルーの霞が印象的なFirestone Walker Mind Haze、緑色で描いたポップなデザインのSierra Nevada Hazy Little Thing は全米でも飛び抜けて大人気商品に躍り出ました。Hazy スタイルは、クラフトビールの新しい定番商品としてマーケットに定着した様子ですが、中でも1年間を通してずっと話題になっていた筆頭格はなんと言ってもRevision Brewing かもしれません。

 Revision Brewing はカリフォルニア州に隣接するネバダ州スパークスにある小さなブリュワリー。「小さなブリュワリーって言ってもアメリカだから大きいんでしょ?」と思われるかもしれませんが、本当に小さいです!そんな小さなブリュワリーは2017 年に創業すると、いきなり翌年の2018 年のビール界のオリンピック「World Beer Cup(ワールドビアカップ)」で大きな注目を集めることになります。

 そもそも、World Beer Cup は、カテゴリーごとの受賞。中にはエントリーの少ないカテゴリーもあり、マーケットで人気のビールスタイルのカテゴリーにはエントリーが集中する傾向にあることから、ブリュワリーの中には、それを回避してのエントリーを行う戦略も。また、エントリーするビールも定番ビールよりはスペシャル限定商品で勝負するブリュワリーも多いのが最近の傾向。そのため、「受賞ビール」と言っても、タップルームや地元の専門店などで樽でしか取り扱いのないものや期間限定の大瓶商品のみ、というものも少なくないのが実情。

 今、マーケットで最も売り上げの高い、多く展開しているビールスタイルは、なんと言ってもIPA。そのため、IPA 部門はそうでなくても百戦錬磨な商品がエントリーされるため、各ブリュワリーから渾身のスペシャルティビールを持ち込んで受賞を狙う多くがひしめく最難関中の最難関。その最難関の頂点、2018 年IPA 部門の金賞を受賞したのが、創業わずか1 年というRevision Brewing !しかも、エントリーしたのは看板商品の定番Revision IPA。驚くのはまだ早い! IPA に続く難関の一つ、Imperial IPA 部門でも定番Revision D-IPA で銀賞受賞という大金星!一瞬にして業界を驚愕と震撼と興奮の渦に巻き込んだことは容易に想像できるでしょう。そこから2019 年も次々と新商品を発売。1 年で受賞回数が20 という破竹の勢いは2020 年も止まらない!

 そんなRevision Brewing に日本の猛者が昨年秋に突撃!その猛者こそ、「横浜をクラフトビアシティへ!」と掲げ、クラフトビールへの尽力と横浜愛に溢れるYokohama Bay Brewingの代表、鈴木真也さん。真也さんはRevision Brewing のスタッフをすっかり虜にし、なんと、コラボレーションまで実現させてしまいました!ということで、そんな記念すべきビールが1 月24 日から横浜・大桟橋ホールで開催される「Japan Brewers Cup 2020(ジャパンブリュワーズカップ)」にてお披露目され、さらにRevision Brewing からもブリュワーが来日予定。さらにたくさんの興奮を日本のビール好き達にもたらしてくれること間違いなしです!

 2020 年も皆様にとって楽しくて美味しいビールライフになりますように!

 

大平 朱美
akemi ohira ( 株) ナガノトレーディング 代表取締役
アメリカンクラフトビール冷蔵管 理のパイオニア。アメリカ食文化 発信基地Antenna America(品 川・横浜・関内)を展開。夫は 創業者 Andrew Balmuth。
     

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