Brewing beer beneath the Shinkansen viaduct. From a place for drinking to a place for making.

新横浜に生まれる、新しいフードホールのかたち 新横浜駅から徒歩10分。

東海道新幹線が走る高架下に、少し気になる場所が生まれる。 2026年9月、株式会社favyが手がける「re:Brewery 新横浜(仮称)」が、フードホール部分を先行オープンする。 最大の特徴は、ここにクラフトビールの醸造所が併設されることだ。 飲食店が集まるフードホールは、もはや珍しい存在ではない。 しかし、そこで提供するビールそのものを、同じ場所でつくる。 この「つくる」と「食べる」「飲む」が一つの空間に集まることに、このプロジェクトの面白さがある。

新横浜が「通過する街」から「立ち寄る街」になる

新横浜を「通過する街」から「立ち寄る街」へ 新横浜と聞いて、まず思い浮かぶのは新幹線だろう。 東京と大阪、あるいは名古屋や京都をつなぐ巨大な交通拠点。 横浜アリーナや日産スタジアムなど、大型イベントの街としての顔も持っている。 一方で、目的地へ向かう途中に「通過する場所」という印象も少なからずある。 そんな街の高架下に、ブルワリーが生まれる。 これは単純に「新しいビール店ができる」という話ではない。 新幹線が走る場所で、その土地のビールがつくられる。 その光景そのものが、新横浜という街に新しい文脈を与える可能性がある。

⸻ 「シェア型フードホール」という考え方 運営するfavyは、全国11都道府県で「シェア型フードホール」を展開している。 今回の「re:Brewery 新横浜」は、favyにとって神奈川県初の出店であり、さらに初めてのブルワリー併設型フードホールとなる。

2026年9月の第一弾では、3店舗が入居するフードホール部分を先行オープン。 その後、第二弾として施設内にクラフトビール醸造所が開業する予定だ。 つまり、最初から完成された施設をつくるのではない。 人が集まり、店が生まれ、そしてビールがつくられる。 街と一緒に、少しずつ完成していく。 この「段階的に育てる」という考え方も、クラフトビールの文化とは相性がいい。

ブルワリーは「設備」ではなく「街のコンテンツ」になる

⸻ ブルワリーは「設備」ではなく「街のコンテンツ」になる クラフトビールの面白さは、ビールそのものだけではない。 どこでつくられたのか。 誰がつくったのか。 なぜその味なのか。 そして、そのビールをどんな料理と、どんな場所で飲むのか。 こうした背景まで含めて、一つの体験になる。 だからこそ、ブルワリーがフードホールの中に入る意味は大きい。 出来上がったビールを運んでくるのではなく、その場所で生まれたビールを、その場所で飲む。 これはクラフトビールが持つ「ローカル」という価値を、非常にわかりやすく体験できる形だ。

⸻ 高架下という「余白」を、どう使うか 今回のプロジェクトで、もう一つ注目したいのが「高架下」という場所だ。 高架下は、これまで必ずしも街の主役ではなかった。 しかし近年、駅や鉄道施設の再開発によって、高架下は飲食、カルチャー、コミュニティの場へと変わり始めている。 今回も、東海道新幹線の高架下という、ある意味で特殊な空間を活用する。 そこに飲食店が入り、さらにブルワリーが入る。 つまり、 「余っている場所を使う」のではなく、「その場所だからこそ生まれる価値」をつくる。 ここに、このプロジェクトの本質があるのかもしれない。

ビールは「地域」をつくれるのか? そしてビールは、街を変えられるのか?

⸻ ビールは「地域」をつくれるのか?

Transporterがクラフトビールを取材してきた中で、いつも気になるのがこの問いだ。

ビールは、街を変えられるのか。 もちろん、一杯のビールだけで街が変わるわけではない。 しかし、ビールをきっかけに人が集まり、会話が生まれ、店と店がつながり、そこに新しい文化が生まれる。 そんな事例は、世界中に存在する。 ブルワリーは、単なる製造施設ではない。 人が集まる理由になり得る 今回の「re:Brewery 新横浜」が面白いのは、まさにその可能性を、フードホールという形で試そうとしていることだ。

⸻ 新幹線の音を聞きながら、地元のビールを飲む 想像してみてほしい。 新幹線が頭上を走る。 そのすぐ下では、ビールが醸造されている。 フードホールでは料理が並び、カウンターでは出来立てのクラフトビールが注がれる。 遠くから来た人も、近所の人も、仕事帰りの人も、イベント帰りの人も同じテーブルを囲む。 新横浜を「通過する場所」ではなく、 「ここで一杯飲んでいこう」と思える場所にする。 もしそれが実現するなら、このブルワリーの価値は「何リットルのビールをつくるか」だけでは測れない。

⸻ 9月、まずはフードホールから。 「re:Brewery 新横浜(仮称)」は、2026年9月に3店舗が入居するフードホール部分からスタートする。 そして、その先にブルワリーが加わる。 まだ完成していない。 だからこそ、今見る価値がある。 高架下という一つの空間が、飲食の場所へ、そしてビールをつくる場所へ変わっていく。 クラフトビールの魅力は、完成した商品だけを見ることではない。 そのビールが生まれるまでの物語を見ることでもある。 新横浜の高架下で始まる、この新しい挑戦。

Transporterとしては、完成したその日だけではなく、「街の中にブルワリーができていく過程」そのものを追いかけてみたい。 新幹線が走る街で、どんなビールが生まれるのか。 そして、その一杯が新横浜という街に、どんな新しい風景をつくるのか。

2026年9月。 まずは、ここから始まる。

フクヘン

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