22 July 2026 vol.170

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ビール造りの想いを飲む人にどうやって伝えていますか?

ライナーノーツ(Liner notes)とは、レコードやCDのジャケット、またはケースに封入されている解説文や小冊子のことです。SNSもYouTubeもない時代好きなミュージシャンの楽曲への想いや情報は全てライナーノーツが私たちの元に届けてくれ、まるで ラブレターを読むような気持ちで何度も 何度も読み返したものです

この〈Liner notes of Beers〉は「もし ビールにライナーノーツが付いてたら」と言う仮定の物語、飲んだビールの感想文を残していく企画です。そして 〈味の感想〉はもちろん 最近 ビールのリリース時にアート作品のような素晴らしいビジュアルがプレゼントになっていることです。

Copyright © West Coast Brewing.

このアートをご覧ください。静岡市用宗(もちむね)クラフトビール醸造所『West Coast Brewing(WCB)』新作Hazy IPA 商品名〈Beach Day〉のアートです。本来なら商品名と一緒に併記されるのは主に成分。 もちろんこの〈Beach Day〉にも丁寧な成分解説がついています

『ドライホップ構成を変更し、Nelson Sauvin・Wakatu・Motueka・El Doradoを使用。パイナップルやオレンジジュースのような、明るく華やかなアロマ。ストーンフルーツやメロンを思わせるニュアンスに続き、ゼラニウムなどハーブの印象も。さらに、樹脂を彷彿とさせるホップの香りが、爽やかで香り高い余韻を生み出している。』(『』内WCBサイトより引用)

本来の味への説明ならこのテキストで十分なはず、しかしWest Coast Brewingは違います。

爽やかな海風が吹き抜け、晴れ渡る青空に、カラダを焼くジリリと熱い太陽光線。いつだって僕らが夏に欲するのは、浜辺が似合うビールでしょう!AlchemistはHop Dudeたちのリクエストを受け、スカッと飲める"Beach Day”を、久しぶりに錬金。(『』内WCBサイトより引用)

このテキストに触れた時 かつて 大切な宝物のように集めてたレコードやCDのライナーノーツの匂いの記憶が蘇りました

さらに、もう1点 『West Coast Brewing』のアートがこちら 

Copyright © West Coast Brewing.

商品名:Firelight/West Coast IPA / 6.0% ABV

『グラスが空になった?それなら、新しいビールを注げばヨシ。止まらない乾杯こそ、WCB流・夏祭りの醍醐味。 アツい季節はまだ始まったばかり。それぞれの夏に、最高の一杯を。 来年も、用宗でお会いしましょう。Cheers』(『』内WCBサイトより引用)

このアートは本誌でも告知した「WCB夏祭り」のキービジュアルに使用されたものです

また、ライナーノーツは長文であれば良いと言うものでなく このBLACK TIDE BREWINGの様にアートのインパクトと相乗効果で 短いコピーが刺さるのも好きです

©2020 BLACK TIDE BREWING.

商品名:FROM THE DEEP…(STRONG LAGER)

キラーコピーは「〜 強力な何かがやってくる、海の奥深く底から… 〜」です このキービジュアルと相まって強烈なインパクトを残してくれました

これからのクラフトビールにとって大切なのは「物語性」をいかに伝えるか?

「なぜアメリカのクラフトビールはQRコードへ向かうのか?」6月21日(129号)で編集長の田嶋が提案しているようにクラフトビールは〈情報量の多い飲み物〉 考えてみれば、クラフトビールほどストーリーを必要とする飲み物は少ない」と田嶋は分析し、「そして私たちは、ビールを飲むだけではなく、その背景にある物語まで味わう時代へと向かっていると結論付けしています

クラフトビール市場においての課題は大きくは2つです。

Affordability(手が出せる価格であること)

Availability (手に取れる場所にあること)

Affordabilityが 大手ビールメーカーに比べ、なかなかその差が埋まらない以上にAvailabilityへのアプローチが限られていることが深刻です。

いかに店頭で自社ビールを見つけてもらい、購入してもらうか? 

いや店頭に限りません。自社サイトで 顧客の皆様へ視覚的に訴えているのは〈見た目/Appearanceです。「このビールの味は?」と多くの単語を羅列するより、WCBのアートの青い空。白い雲、ビーチパラソルで訴求する効果の方がそのビールの持つポテンシャルが伝わりますし、BTBの少し「おどおどしい」黒い海のアートはビールが伝えようとしている「深さ」を明確にしてくれる

クラフトビール飲み歩き飲み比べ@スズキヒカルさん

実は このライナーノーツ企画にはある方へのリスペクトがある。

その方がこの見出しにある「クラフトビール飲み歩き飲み比べ@スズキヒカルさん」です。

スズキさんが連載してるのが〈note〉

人生最高の一杯を求め、クラフトビールを飲み歩き、飲み比べております。
クラフトビール歴約7年
直営店・ブリューパブ 322か所訪問(累計訪問回数656回)
2,488種類 缶・瓶も飲みます。
大手ビールも飲みます』(『』内noteから引用)
(2026/6/30時点

 思わず 「凄い」と唸ってしまいました。飲んだビール数が2,488種、パブ訪問回数は656 回数ももちろんですが 記録(RECODING)をこの様に残してることが 素晴らしいです

おいしい記憶はつながって、乾杯の定番になっていく。

「おいしい記憶」は、誰かの顔や思い出、風景、その時かかっていた音楽と結びつき、増幅され、いつか自分の定番になっていく

昭和の時代 〈自分の定番ビール〉を決めたのはテレビCMでしたと言うか アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーしか 近所の酒屋には置いてませんでした父はこのフレーズが大のお気に入りで 終生 黙ってサッポロ一筋だったのが父の思い出です。

三船敏郎氏を起用し、1970年代に一世を風靡したサッポロビールの伝説的なCMキャッチコピー/© SAPPORO BREWERIES LTD. All rights reserved.

7月20日を祝して、ライナーノーツを忘備録として残してみた

Liner notes of Beers (no.001

BEER NAME : Budweiser350ml(24本入りケース)

COMPANY : Anheuser-Busch InBev

Date Consumed : 2026年7月20日(6月12日から)  39日間で24本飲み干す

Anheuser-Busch InBev © 2020

この記事を書いている7月20日の早朝、メッシ(Lionel Andrés Messi )率いるアルゼンチンを無敵艦隊(Armada Invencibleスペインが下したワールドカップが終わり、39日間に渡る激闘の幕が閉じました寝不足の日々が終わって少しホッとしてます。正直なところビールを飲むには 〈飲み辛い時間帯〉でした

結論から先に言ってしまうと、これはサッカーを深夜から早朝にかけて、39日間も見続けるに相応しいビールだった。

むろん、普段飲むあの「味、口当たり、深さ」を期待するクラフトファンは、不満をもらすであろう。しかし、この官能的に匹敵する「水っぽさ」はまさにアメリカン・ビールの象徴。

ハーフタイムでスタジアムに大音量で響くボン・ジョビ(Bon Joviが表現した「軽さ」と、バドワイザーが表現する「軽さ」は、単なる時代の経過というビールの流れをはるかに超越している抽象的だった。アメリカのスポーツと共通する何かが、マイナーだったアメリカのサッカーマーケットで大きく燃え上がった瞬間だった。

と言う感じで 初の「Liner notes of Beers 」でした。

雑文お許しを、定期的に書いていく所存です。(一応 20銘柄ビールのストック有り)

※写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。