transporter

藤田こういちのベルギービール新書 13 -ビールは死なない-

TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.28(2020)

2022年 11月 14日 10時 03分 投稿 199 Views

 タイトルとは裏腹に◯搾りグレープフルーツとタ◯ラのお茶割りを飲みながら書いてます。この二つバランスの良さ、秀逸ですね。共感してくれる人がいることを願ってます。でも何が言いたいかというと、家でチューハイも悪くないのですが、こんな時でも美味しいビール飲みたくなるってことです。

 前号は投稿をお休みさせていただきました、申し訳ありません。いろいろな事がありすぎて、とても文章力のない自分には書ける余裕もなく。6 月にベルギーに行く予定で全て手配していたのですが、残念ながらキャンセルになりました。

 18 歳から飲食業に携わってきました。お店、現場は大好きです。今はなかなかお店に立つ機会もなく、少し寂しいのですがこんな状況は初めてです。お店に行けないということがこんなにストレスになるんですね。いいお店ってちょっとカッコつけて言いますけど、ある種グルーヴ感があるじゃないですか、ビール屋に限らず。営業時間を短縮してラストオーダー21 時?席を間引いてソーシャルディスタンス?いやいや、厳しいですよ。経営的にも成り立たないですし。やらないといけないのはわかってます、でもたくさんお客さんに来ていただいて、盛り上がってる時ってこちら側もビールの説明に熱が入るし、少し音楽のボリューム上げたり、時にはカウンターの隣の人同士が盛り上がったり、お客さんもこちら側も楽しい時間を過ごす。そういう時って不思議と売上もよかったりするものです。

 正直国にはせめてワクチンが開発されるくらいまでは、補償を継続的に、厚くしてもらいたいものです。耳に入ってくるヨーロッパのそれとは比べ物にならないようです。第2波がきたこのタイミングで今後の営業を見切るお店も増えてきそうです。

 このコロナで飲食店の在り方が変わります、でも少なからず飲みたい人もいると思うので、ことベルギービール、クラフトビールに関しては飲みたい人たちにどういった形で届けることができるか、お店でビールや食事、空間やサービスを提供する以外にも考える局面なのかもしれませんね。しかし、お店でしか提供できないものはたくさんあると思うので、当たり前のことですけども、行く価値のあるお店が残るのかなと思います。今後は家賃の高い都心などではなく、地域のお客さまを大事にした、ふらっと寄れるようなお店が主流になって行く︎と思いますし、クラフトビールの広がりは近所で飲んだり、家庭で飲んだりと日常にもっと近くなって行く必要があると思いますので、そういったお店が増えていくことを願います。あなたの最寄り駅やお近くにビールのお店ありますか?私のところは全くありません、笑。いっそのこと週末だけでも開ける、小さいビアバーでも作っちゃおうかな。。。

 何が言いたいかというと、本物のクラフトビールを知らない人がまだまだ多い、ローカルにはお店が少ない、可能性があるということです。地元にビール屋さんがある状況が当たり前になるといいですね。ベルギーのビアカフェのようにそれぞれの街にあって、いろんな人が集まって思い思いに自由に時間を過ごす。

 あえてクラフトビールと言いますが、今後どうでしょうか。造り手が見えたり、想いがあるビール達。美味しいし、楽しいし、充分に価値のあるものだと思います。どれだけ飲んでもらえるきっかけを作ることができるか、美味しさ、楽しさ、想いやストーリー、どれだけ伝えることができるか、お店ではお客さんの少ない今こそいろいろできるチャンスかもしれないですね。

 輸入ビールに関しては、どこも厳しい状況が続いていると思います。日本のクラフトビールも大変だとは思いますが、海外インポーターは輸入コストや、税金の先払いなどもあり本当に大変なんです、素晴らしい世界中の造り手のビールが日本に来なくなるのも避けたいです、ぜひ輸入ビールの応援もお願いします。

 こんな時だからこそ、やっぱり家飲みでも美味しいビール飲みたいですし、締めにボンヴー飲もうかなとか、ランビック飲みたいなとか思っちゃうんですよね。

 あとはやはりお店に行きたいです。以前よりもお店はしっかり対策していますし、テイクアウトやデリバリーなど手を替え品を替え頑張っています。お近くのビールなお店、ぜひ助けてあげてください。この記事を読んでいただいている方は少しはビールに興味がある人だと思うので、まずは家族や友人、恋人など、こんな時だからこそ身近な人を巻き込んで、美味しいビールで乾杯しませんか。

 

藤田 孝一
Koichi Fujita
セゾンデュポンなど数多くのベルギー ビールを輸入するブラッセルズ株式会社 取締役
【Facebook】 https://www.facebook.com/brussels.jp/
【Beer Bar BRUSSELS】 http://www.brussels.co.jp/
【輸入部オンラインカタログ】 https://www.brussels-import.com/
     

その他の記事