A beer named "Tomodachi" (Friend). From Fukuoka to Leeds—connecting the craft beer scenes of Japan and the UK through Suguru Hayashi.

10 September vol.280
ビールのコラボレーションは 同時に、人と人とのコラボレーションである。
約9,600km。
日本の福岡から、イギリス・リーズへ。 一人の日本人ブルワーが、世界で通用するビールをつくるために海を渡った。

彼がブルワーとして働いていたのが、リーズ(Leeds) は、イングランドの北部にある都市)を代表する、いや、世界に名を轟かせるクラフトブルワリー、Northern Monkだ。
そして彼のストーリーを象徴する一本がある。 その名も、 「Tomodachi」 日本語で「友達」。 このビールは、Northern Monkと英国の人気ブルワリー、Burnt Mill Breweryとのコラボレーションから生まれた。

しかし、単なるブルワリー同士のコラボではない。 そこには、Suguruが日本から英国へ渡り、英国のクラフトビールシーンに足を踏み入れるまでを支えた、一人のブルワーとの友情がある。 Burnt Millの創業者Charlesは、英国での生活や醸造の世界に飛び込もうとしていたSuguruを、メンターとして支えた。
住む場所を提供し、英国のブルワリーで働くための道をつくり、そして現地の醸造文化を教えた。 つまり「Tomodachi」は、 ビールのコラボレーションであると同時に、人と人とのコラボレーションだった。 福岡から英国へ。 日本で培った技術を持って海を渡り、異なる文化の中でもう一度ブルワーとして成長していく。 その過程で出会った「友達」が、今度は一本のビールを一緒につくる。 クラフトビールには、こういう物語がある。
「 Northern Monk × Uchu Brewing」によるOFS025
そしてNorthern Monkと日本の関係は、Suguruだけではない。 過去には山梨のうちゅうブルーイングともコラボレーション。 Northern Monk × Uchu BrewingによるOFS025では、日本をテーマにしたPlum Japan Sour Aleがつくられ、ストロベリー、プラム、チェリー、そして桜茶など、日本を感じさせる素材が使われた。 つまりNorthern Monkにとって日本は、 「海外のマーケットのひとつ」 というだけではない。 人、技術、素材、そして友情。

LINER NOTE of BEER
ビアスタイル:Plum Japan Sour
原産国:英国
アルコール度数:4.5%
実験的なビールを造るコンセプトのOFSシリーズ。今回は日本で大人気を誇る山梨の宇宙ブルーイングとのコラボレーションで造られたライトなサワーエール。1リットルあたり200gものストロベリー、梅、サクランボを使用し醸造。グレインビルにたっぷり小麦とオーツ麦を採用、更にラクトースを使用しまるでシルクの様な柔らかなマウスフィールを演出。使用した果実の甘味と酸味が存分に楽しめるまるでサクランボスムージーの様な一杯。
そんな複数の接点によって、日本との距離が少しずつ縮まっている。 そして、その中心にいるのが福岡からリーズへ渡った一人のブルワーだ。 クラフトビールの世界では、国境よりもブルワー同士のつながりのほうが強いことがある。
ビールは国境を越える。 でも、本当に国境を越えているのは、ビールをつくる人たちなのかもしれない。

Fukuoka → Leeds 約9,600km。
遠く離れた二つの街をつないだのは、ビジネスでも航空路でもない。 一人のブルワーと、一人の友達。 だから、このビールの名前は「Tomodachi」なのだ。 ビールは国境を越える。 でも、本当に国境を越えているのは、ビールをつくる人たちなのかもしれない。
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