Craft beer has changed the world.

20 August 2026 vol.215
2日連続で「TAJI JARNAL」 (編集長日記)をお届けしてます
2010—2026 クラフトビールは、世界を変えた。
2010—2026 クラフトビールは、世界を変えた。
――そして今、「成長」そのものを問い直している。
2010年。 クラフトビールは、まだビール市場の主役ではなかった。
しかし、何かが変わり始めていた。
小さなブルワリーが増えている。
IPAが世界中へ広がっている。
ホップの香りが強くなっている。
ビールを語る人が増えている。
ブルワリーを目的地として訪れる人が増えている。

そして、インターネットによって、アメリカの小さなブルワリーの情報が、世界中のビール好きへ届くようになっていた。 2000年代に生まれたクラフトビールの「思想」が、2010年代に入って、いよいよ「経済」になろうとしていた。
しかし、その先には想像もしなかった変化が待っていた。
大手企業による買収。 クラフトビールの世界的拡大。
大手企業による買収。 クラフトビールの世界的拡大。
SNS革命。 コロナ禍。 インフレ。 人手不足。 アルコール離れ。
クラフトビールが「小さな反逆」から「巨大な産業」になり、そして再び「自分たちは何者なのか」を問い直すまでの歴史 を追う
そして、2020年代半ばから始まった市場の調整。
2010年から2026年。 この16年間は、 クラフトビールが「小さな反逆」から「巨大な産業」になり、そして再び「自分たちは何者なのか」を問い直すまでの歴史 だった。
⸻ 2010年 「次の産業」が始まった 2010年のアメリカ。 クラフトブルワリーはまだ約1,700軒程度だった。 現在と比べれば小さな市場だ。
しかし、2000年代に積み上げられた基盤があった。
IPA。 ホップ。 Taproom。 Brewpub。 Beer Festival。 ホームブルーイング。 インターネット。 そして「地域でつくる」という思想。 これらが一つにつながり始める。 クラフトビールは、単に「大手より変わったビール」ではなくなった。 一つのビジネスモデルになった。


2011年 クラフトビールが「文化」から「投資対象」へ
⸻ 2011年 クラフトビールが「文化」から「投資対象」へ
2011年。
アメリカではクラフトビールの存在感がさらに大きくなる。
クラフトビールの生産量は前年比13%増。 市場シェアは初めて5%を超えた。 つまり、クラフトビールはもう「マニアの市場」ではなかった。 消費者が選び、店が扱い、投資家が注目する産業になった。 そして、ここからクラフトビールに新しい問題が生まれる。 「成功したブルワリーを、誰が所有するのか?」
2012〜2014年 大手資本がクラフトビールを発見する
⸻ 2012〜2014年 大手資本がクラフトビールを発見する
クラフトビールが成長すると、大手ビールメーカーも無視できなくなる。
それまでクラフトビールは、 「小さい」 「非効率」 「地域限定」 という存在だった。 しかし市場が成長すると、見方が変わる。 「成長市場」 になる。 大手企業がクラフトブルワリーへ投資する。 買収する。 販売網を提供する。 資本を投入する。 クラフト側にとっては、巨大な流通網と資金を得られる。 大手側にとっては、新しい消費者層を獲得できる。 一見すると、Win-Winだった。 しかし、クラフトビールの世界では大きな議論が始まった。
「大手に買われたクラフトビールは、まだクラフトなのか?」
「大手に買われたクラフトビールは、まだクラフトなのか?」
これは単なる所有権の問題ではない。
「独立性とは何か?」
「クラフトとは何か?」
「企業が大きくなると、思想まで変わるのか?」 クラフトビールは、初めて自分自身の定義と戦うことになった。
2013〜2015年 クラフトビールはアメリカだけの現象ではなくなった。
⸻ 2013〜2015年 「クラフト」という言葉が世界へ 2010年代半ばになると、クラフトビールはアメリカだけの現象ではなくなった。
イギリス。 オーストラリア。 ニュージーランド。 北欧。 イタリア。 スペイン。 韓国。 そして日本。 世界中で小さなブルワリーが生まれ始める。
その背景には、インターネットがあった。

昔なら、アメリカで生まれたビールスタイルが日本へ届くまでに何年もかかった。 しかしSNS時代になると違う。 アメリカで新しいIPAが発売される。 その写真がSNSに上がる。 日本のブルワーが見る。 ヨーロッパのブルワーが見る。 数日後には世界中のブルワーが試している。 ビールの進化速度そのものが変わった。
2010年代、日本では「地ビール」から「クラフトビール」へ
⸻ 日本では「地ビール」から「クラフトビール」へ 日本でも2010年代は大きな転換期だった。
1994年の規制緩和によって生まれた「地ビール」は、一度ブームが沈静化した。
しかし2010年代、新しい世代のブルワーが登場する。
アメリカやヨーロッパのビール文化を知る。 海外で醸造を学ぶ。 ホームブルーイングからプロになる。 そして、これまでの「お土産としての地ビール」ではなく、 「世界のビール文化とつながったクラフトビール」 をつくり始める。
日本のクラフトビール醸造所は2010年代以降に大きく増加し、2020年代にはさらに増えていることが全国調査でも確認されている。

⸻ 2014年 大手メーカーが「クラフト」を認めた日 日本でも象徴的な出来事が起きる。
キリンが2011年にクラフトビール事業参入へ、2014年に「SPRING VALLEY BREWERY」ブランドを発表。
キリンが2011年にクラフトビール事業への取り組みを始め、2014年に「SPRING VALLEY BREWERY」ブランドを発表。 2015年には代官山と横浜にブルーパブを開業した。 これは日本のクラフトビール市場にとって大きな転換点だった。


(Japan Beer Times)
なぜなら、それまでクラフトビールは、 「大手ビールとは違うもの」 という位置づけだったからだ。 しかし大手がクラフトビールをつくり始めると、 クラフトは一気に一般消費者の目に入る。 スーパー。 コンビニ。 レストラン。 テレビ。 広告。 「クラフトビール」という言葉自体が一般社会に広がっていく。 これは皮肉な現象だった。 クラフトビールを広めたのは、クラフトビールだけではなかった。

大手企業の参入によって、市場そのものが大きくなったのである。
2015〜2017年 SNSが「小さなブルワリー」をスターにした
⸻ 2015〜2017年 SNSが「小さなブルワリー」をスターにした
この時代、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSが急速に普及する。 これがクラフトビールのマーケティングを根本から変えた。
大手企業はテレビ広告を使う。
クラフトブルワリーはスマートフォンを使う。
新しいビールができる。
写真を撮る。
SNSに投稿する。
ファンがシェアする。
翌日には世界中のビールファンが知っている。
さらに、缶のデザインそのものが重要になる。
アート。 グラフィック。 イラスト。 タイポグラフィ。
ブルワリーはビールだけではなく、世界観を売るようになった。
クラフトビールの缶は、 「飲料容器」から「メディア」 へ変わった。
ブルワリーはビールだけではなく、世界観を売るようになった。
⸻ 2016〜2019年 クラフトビールの黄金時代 2010年代後半。
アメリカではクラフトブルワリーがさらに増加。 世界中でもブルワリーの開業が相次ぐ。 ビールは「味」だけでなく、 地域。 食。 音楽。 アート。 旅行。 ファッション。 スポーツ。 映画。 イベント。 と結びついていく。
ブルワリーは工場ではなく、 目的地 になった。

ブルワリーは工場ではなく、 目的地 になった。
Taproomへ行く。
醸造所を見る。
ブルワーと話す。
限定ビールを飲む。
そこでしか買えないグッズを買う。
友人と写真を撮る。
SNSに投稿する。
また別の人が訪れる。
これは従来のビール産業にはなかった経済循環だった。 ⸻ クラフトビールは「地域経済」になった クラフトビールの本当の成長は、ビールそのものの売上だけでは測れない。
ブルワリーができる。
↓ 雇用が生まれる。
↓ 飲食店が増える。
↓ 観光客が訪れる。
↓ ホテルを利用する。
↓ タクシーや交通を使う。
↓ 地元の農産物を使う。
↓ イベントが生まれる。
つまり、 1軒のブルワリーが、周辺産業を動かす。
2024年に日本のクラフトブルワリーを対象として行われた全国調査でも、経営主体には醸造業だけでなく飲食業、観光業などが含まれ、クラフトビールと地域観光・交流の関係が注目されている。
(J-STAGE)

これはクラフトビールの最も重要な進化の一つだった。
2018〜2019年 市場が大きくなる。 競争も激化した。
⸻ 2018〜2019年 しかし「成長の副作用」が始まる 市場が大きくなる。
ブルワリーが増える。 商品が増える。 すると、当然競争も激しくなる。
IPA。 Hazy IPA。 Sour。 Pilsner。 Pastry Stout。 Barrel-aged。
次々に新しいスタイルが登場する。
消費者は選択肢を得た。 しかしブルワリー側から見ると、
「良いビールをつくるだけでは、もう足りない」 時代になった。
ブランド。 販売力。 Taproom。 SNS。 物流。 人材。 資金。 地域との関係。
経営能力。 必要なものが増えていった。 クラフトビールは、完全に「産業」になったのである。
2020年。 新型コロナウイルス 世界が停止した

⸻ 2020年 世界が止まった そして2020年。 新型コロナウイルス。
世界中の飲食店が閉まる。
バーが閉まる。
レストランが閉まる。
ビールイベントが中止になる。
Taproomが閉まる。
クラフトビールにとって、これは最悪の環境だった。 クラフトビールの大きな特徴は、 「人が集まること」 だったからだ。
2020年、世界のクラフトビール生産は約9%減少。
小規模ブルワリーは、Taproomや飲食店への依存度が高かったため、特に大きな打撃を受けた。
(BeverageDaily.com)

⸻ 2020年 しかし、危機はイノベーションを生んだ コロナはクラフトビールの弱点を露呈した。
しかし同時に、新しい販売方法も生まれた。
オンライン販売。
テイクアウト。
デリバリー。
クラウドファンディング。
サブスクリプション。
SNSライブ。
オンラインイベント。
ブルワリーと消費者が直接つながる。
それまで、 「店でビールを飲む」 ことが中心だったクラフトビールが、
「家で飲みながらブルワリーとつながる」 方向へ進んだ。 危機は、クラフトビールのデジタル化を一気に進めた。
2021年 リベンジ消費 ワクチン接種が進み、経済が再開する。
⸻ 2021年 リベンジ消費 ワクチン接種が進み、経済が再開する。 人々は外へ戻る。 レストランへ行く。 バーへ行く。 旅行する。 クラフトビールも回復する。
2021年には世界のクラフトビール生産量が前年比8%増となったというデータもある。
(BeverageDaily.com)

しかし、コロナ前に戻ったわけではなかった。 人々の働き方。 飲み方。 買い物。 旅行。 価値観。 すべてが変わっていた。
⸻ 2022年 「成長すれば勝てる」時代の終わり 2022年。 世界的なインフレ。 エネルギー価格上昇。 原材料価格上昇。 物流費上昇。 人件費上昇。 ホップ。 麦芽。 缶。 段ボール。 電気。 ガス。 すべてが高くなる。 しかも、消費者の財布にも影響が出る。 クラフトビールは、 「高品質だが高価格」 という宿命を背負っていた。 ここで経営の現実が表面化する。 売上が伸びても利益が残らない。 ブルワリーを増やしても、人が足りない。 新商品を出しても、競合も新商品を出す。 市場は成長している。 しかし、一社一社が儲かるとは限らない。

2023年 アメリカではクラフトビール市場の成長率が鈍化する。
⸻ 2023年 クラフトビールは「成熟市場」へ アメリカではクラフトビール市場の成長率が鈍化する。 2010年代のような二桁成長は当たり前ではなくなった。 2023年にはクラフトブルワリー数は約9,700軒規模まで増えた一方、生産量は約1%減少したとされる。市場シェアは数量ベースで約13.6%だった。(BeverageDaily.com) これは重要な転換点だ。 ブルワリーは増えている。 しかし、 ビールの量は増えていない。 つまり市場は、 「供給不足」から 「供給過多」 へ移り始めた。
2020年代半ば。 アメリカではブルワリーの閉店、事業売却、縮小、M&Aが目立つようになる。
⸻ 2024〜2025年 「閉店」は失敗なのか? 2020年代半ば。 アメリカではブルワリーの閉店、事業売却、縮小、M&Aが目立つようになる。 かつては、 「ブルワリーが増える=クラフトビールの成長」 だった。 しかし今は違う。
重要なのは、 「何軒あるか」ではなく、「何軒が持続可能な経営をできるか」 になった。 2025年には米国クラフトビール生産量が前年比4%減少したとの報道もあり、競争激化や消費者のビール離れ、閉店・縮小が業界の大きな課題になっている。
(Axios) これはクラフトビールの「終わり」ではない。 むしろ、 第二次クラフトビール革命 の始まりなのかもしれない。

2016年に設立され、2017年にオープンした、アメリカの著名な新興ネットニュースサイトです。
2025〜2026年 クラフトビールは「量」から「価値」の時代へ
⸻ 2025〜2026年 「量」から「価値」へ 2024〜2025年 「閉店」は失敗なのか?
2020年代半ば。
アメリカではブルワリーの閉店、事業売却、縮小、M&Aが目立つようになる。
そのものは、量の面で厳しい環境にある。 IWSRによれば、主要21市場では2025年のビール数量が前年比1%減少した一方、プレミアム以上のカテゴリーやノンアルコールなどが価値を支えた。(IWSR) つまり、 人々は必ずしも「たくさん飲みたい」のではない。 しかし、 「飲むなら価値のあるものを選びたい」 という方向へ動いている。 これはクラフトビールにとって、決して悪い話ではない。 むしろ本来のクラフトの思想に戻るチャンスでもある。
日本の2026年は醸造所が拡大の一途へ
⸻ 日本の2026年 「成長」と「成熟」が同時に起きている 日本は少し違う。 アメリカが成熟・調整段階へ入っている一方、日本ではクラフトビールの醸造所がまだ増えている。 2024年時点で800カ所を超えるとの調査・推計があり、2019年の422カ所から大幅に増加している。(BrewHub) 2024年に実施された全国悉皆調査では、回答した280醸造所の約68%が年間60KL未満。 つまり日本のクラフトビールは、巨大化した産業というより、 小規模事業者が多数存在する産業 なのである。
ここには日本独自の可能性がある。
日本のクラフトビールは「地域産業」になれるのか ?
⸻ 日本のクラフトビールは「地域産業」になれるのか?
日本のクラフトビールにとって、最大の武器はアメリカのコピーではない。
東京。 大阪。 京都。 北海道。 長野。 静岡。 広島。 福岡。 沖縄。 それぞれの土地に文化がある。
農産物がある。 観光がある。 食がある。 歴史がある。 そこにブルワリーが存在する。 つまり、 日本のクラフトビールは「ビール産業」ではなく「地域産業」として成長する余地がある。 実際、日本のクラフトビール購入者は、単純な価格だけでなく、生産者情報、安全性、環境への配慮などを重視するという研究もある。(J-STAGE) これは非常に重要だ。 消費者が買っているのは、液体だけではない。 「誰が、どこで、なぜつくったのか」 まで含めて買っている。
⸻ 2010〜2026年 クラフトビールの16年間を一言で表すなら
2010年。 「小さなブルワリーが増える。」
2012年。 「大手資本が市場に気づく。」
2014年。 「クラフトという言葉が一般社会へ広がる。」
2016年。 「SNSがブルワリーをブランドにする。」
2018年。 「クラフトビールが世界の文化になる。」
2020年。 「コロナが産業を止める。」
2021年。 「市場が戻る。」
2022年。 「インフレが経営を直撃する。」
2023年。 「成長より競争が目立ち始める。」
2024〜25年。 「淘汰と再編が始まる。」
2026年。 「クラフトビールは、次の価値を探している。」
「ビールは大手メーカーがつくるもの」 から「ビールはもっと自由につくっていい」 ということを教えてくれた
⸻ クラフトビールは失敗したのか? そうではない。 むしろ逆だ。 クラフトビールは、 ビール産業そのもののルールを変えた。 昔は、 「ビールは大手メーカーがつくるもの」 だった。 今は、 「誰でも、どこでも、個性的なビールをつくれる」 という世界になった。
昔は、 「ビールは安く大量に飲むもの」 だった。
今は、 「ビールについて語り、選び、料理と合わせ、ブルワリーへ行く」 文化になった。
昔は、 「ブルワリーは工場」 だった。
今は、 「ブルワリーは街の目的地」 になった。
そして何より、 クラフトビールは世界中の人間に、 「ビールはもっと自由につくっていい」 ということを教えた。
そして2026年 クラフトビールは「どれだけ社会とつながれるか?」と言う時代へ
⸻ そして2026年 「次のクラフトビール」は、何を目指すのか ここからが本当の勝負だ。 これからのクラフトビールは、 「もっとIPAをつくる」 だけではない。 「もっとブルワリーを増やす」 だけでもない。 必要なのは、 一つのブルワリーが、どれだけ社会とつながれるか。 農業。 観光。 飲食。 音楽。 映画。 アート。 スポーツ。 地域文化。 環境。 教育。 そして海外。 クラフトビールは、すでに「ビール」だけでは説明できない産業になっている。 ⸻ 「成長」の意味が変わる 2010年代の成長とは、 ブルワリー数を増やすこと。 生産量を増やすこと。 売上を増やすこと。 市場シェアを増やすこと。
しかし2026年の成長は違う。 10万本売ることではなく、 1万人のファンをつくること。
10万本売ることではなく、 1万人のファンをつくること。
全国へ売ることではなく、
その街へ人を呼ぶこと。
新しい商品を次々つくることではなく、
10年後も飲みたいと思われるブランドをつくること。
そして、 地域にお金と仕事と文化を残すこと。 ク
ラフトビールにとって、 「成長=大きくなる」 という時代は終わりつつある。
これからは、 「成長=深くなる」 なのかもしれない。
⸻ 1990年代から続いた物語の、
1990年代。 日本で「地ビール」が生まれた。
2000年代。 アメリカでクラフトビールが産業として成長した。
2010年代 世界中へ広がった。
2020年 コロナによって、その弱さを知った。
2020年代半ば インフレと競争によって、成長モデルを見直すことになった。
そして2026年 クラフトビールは再び問いを突きつけられている。
今 問われてるのは「あなたは、何のためにビールをつくるのか?」かである
「あなたは、何のためにビールをつくるのか?」
大量生産への反発として生まれたクラフトビールは、今や巨大な市場になった。
資本も入った。 M&Aも起きた。 世界的なブランドも生まれた。
しかし、その先で再び原点に戻ろうとしている。 小さくてもいい。 地域に必要とされればいい。 飲む人の記憶に残ればいい。 つくる人の顔が見えればいい。 その土地でしか飲めなくてもいい。 そして、 一杯のビールが、人と人をつなげればいい。
⸻ クラフトビールの歴史は、まだ終わっていない 2000年代、 クラフトビールは「産業」になった。 2010年代、 クラフトビールは「世界的な文化」になった。 2020年代、 クラフトビールは「自分たちの存在理由」を問い始めた。 だから2026年は、 クラフトビールの衰退期ではなく、 第三のクラフトビール時代の入口 と考えることもできる。
第一章は、 「大手に対する反逆」。
第二章は、 「世界的な成長」。
そして第三章は、 「地域、文化、経済、環境、人間をもう一度つなぎ直すこと」。
これからのクラフトビールに必要なのは、 「どれだけ売ったか」 だけではない。
「このビールによって、何が生まれたのか」。 仕事が生まれたのか。 街が元気になったのか。
農家が救われたのか。
観光客が増えたのか。
人が出会ったのか。
文化が残ったのか。
そして、 飲んだ人の人生に、小さな記憶を残したのか。
そこまで含めて初めて、 クラフトビールの「価値」 になる。 2010年から2026年。 クラフトビールは、 「小さなビール」から、 「大きな産業」へ進み、 そして今、 「大きさでは測れない産業」へ進化しようとしている。
その先にあるのが、 クラフトビールの次の100年なのかもしれない。

この「TAJI JARNAL」とマークされているテキストは 本誌編集長田嶋伸浩が執筆しております。

【略歴】 田嶋伸浩
2013年よりクラフトビール専門誌『TRANSPORTER BEER MAGAZINE』発行人となる。
2017年ベルギー発修道院ビール『CHIMAY』と契約、ジャパンマーケテングを担当。その後もクラフトビール業界において幅広く活動、会社顧問商品開発、店舗開発,コンサルティング、ブランドプロデユース、デザイン、広告、関連の仕事を数多く行なっている。
2018年伊勢角屋麦酒顧問就任
2019年FAR YEAST BREWINGアドバイザリー就任
2021年鎌倉ビール顧問就任
FAR YEAST BREWING TOKYO 店舗開発
伊勢角屋麦酒 八重洲店・新宿店・新橋店 店舗開発
株式会社なんつね飲食部門オリジナルビール企画店舗監修
BLACK TIDE BREWING 合同会社 代表社員
株式会社FUKUOKA CRAFT 代表取締役
株式会社ライフコーポレーションでのオリジナルビール企画、デザイン。
スーパーマッケット オオゼキでのオリジナルビール企画
株式会社RETTY でのクラフトビールイベント企画。
株式会社日テレ7でのオリジナルビール企画、アドバイザリー。
※写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。

