
vol.98
2026年3月20日の「TRANSPORTER」WEB版リニューアル以降 本日100号を更新することが出来ました。これもひとえにみなさまのお陰です。ありがとうございます。そこで2014年の創刊以来過去人気の高かった(アクセス数が多かった)記事を再編集して お届けします。それがこの「再編集編」。その第一弾が「藤田こういちのベルギービール新書」です。
以下再編集編 ぜひお読みください
ベルギーに行くと必ずと言っていいほど行くビアカフェがいくつかあります。人口に対してのビアカフェの数は世界一とも言われているベルギー。
一言でビアカフェと言っても本当に様々。ブリュッセル(Brussels)や街中に多い若者が集まるモダンな場所もあれば、昔ながらの ビアカフェも。ビールの品揃えも店構えもスタッフもそれぞれなので、自分にあったところを見つけるのも楽しいものです。比較的、 地方にあるカフェは、地元色の強いビールが多かったり、年配の方やファミリー層も多くアットホームな雰囲気のところが多くなるように思います。
どこを選ぶかは人それぞれですが、ベルギービール がユネスコの無形文化遺産にもなっている要因はまさに、こう言ったローカルな街のビアカフェがあり、みんなが地元のビールを飲んでいることが一つあると感じます。ただ地方に行くとヘンテコなカクテル売っているお店がものすごく流行っていたりすることもある のが面白いところですが、(笑)

ここ数年のクラフトビール需要で、都市部から離れた醸造所でも 輸出が伸び、こぞって醸造所は拡大傾向にあります。私が知っている範囲でも、年々輸出が増えている醸造所が多く、国内消費よりも 輸出が上回ったとの話も聞くようになりました。ただ少し心配のタ ネが最近出てきました。欧米への輸出が伸びていることはとても良 いことだとは思いますが、輸出先の国でもベルギービールのような クラフトビールがたくさん作られるようになってきています。当初、 特にアメリカを中心に輸出が伸び、醸造所を拡大したものの、それ以降なかなか伸びていかないといった流れも起きている気がしてい ます。アメリカではすでに醸造所が9000 とも言われ、本家ベルギーに負けずとも劣らないランビックのようなビールやセゾンなどなど、ベルジャンタイプのビールを自国で多く造るブリュワリーが 増えているという話も聞きます。

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最近はアジアのマーケット、特に規模が大きい中国に輸出するかしないかがが一つ大きな課題になっているようですが、今後規模を拡大した醸造所の経営が厳しくなるというような状況が起きないことを祈るばかりです。
いまさら聞けないクラフトビール基本の「キ」
ベルギービールウィークエンド(BBW)とは

日本でベルギービール文化を楽しめる日本最大級のベルギービールフェス。発祥の地ベルギーでは、毎年9月第1週末に、世界遺産・ブリュッセルのグランプラス広場で開催されています。日比谷、名古屋、横浜、大阪、京都、新宿で開催 2026年次回開催地は京都で10月に開催予定。
日本に対してはとてもありがたいことに、輸出をしたいと声がかかることがとても多いのですが、無責任に輸入はできないですし、 パートナーとして徐々にでもお互いに伸ばしていかないといけない ことを考えると、むやみやたらに輸入をすると後々うまくいかなくなってしまうものです。最近はインポーターも増えているように感じるのですが、同じお客さんを食い合ってしまっては元も子もありません。せっかくの思いを込めてインポーターが輸入してきたビールですが、提供してもらえる場所がある程度限られてしまっているのが現状ではないでしょうか。

日本では最近醸造所もいろいろな場所で増えてきました。しかし お店がどうしても都市に集中してしまっている印象があります。飲みたくても飲めないという状況もまだまだあると感じるので、もっとローカルな地域に通いたくなるようなビアカフェがあったらいいのになと思います。
非日常を演出するお店もいいのかもしれないで すが、日々ふらっと寄れるのがビアカフェのいいところ。クラフト ビールは地域密着型のお店が増えていくことも、広がる一つの要因 かなと思います。今までにないようなレストランで提供されたり、 意外な食事との組み合わせも面白いですね。
こんなことを言っていて、ブラッセルズが都心にしかお店がないのであまり説得力がないですが、土地代が安ければよりお求めやすい価格でビールを提供できますし、地元のコミュニティも作れると思います。地元の美味しい素材を調達できますし、飲食店としても 魅力のあるお店ができそうです。
あとは学べる環境でしょうか。飲食店としても、クラフトビール の知識にしても学ぶ場所が少なく、わからないしお客様に来ていた だけるかどうか不安もあるとなかなかビールで独立しようとは思わないですよね。
ビールが好きな人が学べて、働ける環境作りもこれ からのクラフトビールには必要だと考えます。
ベルギーに行くと、普通のおばちゃんが(すいません、ちょっと 失礼ですが)カウンターに立ってビールを注いでたりしますし、気楽に食堂のような感じで営業しています。
老若男女いろいろなお客さんがいます。それできちんと継続性のあるビジネスとして成り立っている、そこもすごいと思うのですが、やはり日々ローカルで 飲まれている環境があるのは強いです。
輸出が伸びているベルギービールではありますが、こう言った ローカルなビアカフェが支えになり、ビールが文化にまでなっているのでしょう。でも文化と言えど気軽さ、身近さはビールだからこそのもの。日々の生活に近いからこその文化。そこもいいですよね、
「とりあえず1 杯飲もうよ」となりますし。

クラフトビールを冠するビールがコンビニにも並ぶ時代、(クラフトかどうか議論の余地はありますが)まだまだ、美味しいビール を飲みたい人は沢山いるのではないかと思います。

日本もどこに 行っても、美味しいビールが気軽に飲める環境になるといいです ね!と、希望と期待を込めて。最近はベルギービールの普及活動は もちろんですが、そういったお手伝いもできればとつくづく感じています。
著者 guest column 藤田 孝一(Koichi Fujita)さん
この記事は2022年11月に書かれたものを編集部がリライトしたものです 情報等は当時のままです。(BBW情報は編集部による追記)
※このテキストは編集部が原稿を構成しています。写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。

