Es geht nicht nur ums Biertrinken. Durch München, die Braustadt, zu schlendern. In München anzukommen und gleich ein Bier zu trinken – auch das ist kein schlechter Start in eine Reise.

11 September 2026 vol.282
「TRANSPORTER」の歴史は「旅」の歴史。本日からカテゴリーに「ビールは人生の道標(みちしるべ)」と称した「旅」カテゴリーを分類追加しました。
ミュンヘン(München)はビールを愛する者にとっては単なる地名ではない。

ビールを飲むためだけじゃない。 ミュンヘン、醸造の街を歩く ミュンヘンに着いたら、まずビールを飲む。 そんな旅の始まり方も、悪くない。 中央駅を出て、旧市街へ向かう。石畳の先には、巨大なホールと木のテーブル、白い泡をたたえたジョッキ。誰もが知るミュンヘンの風景だ。 けれど、この街のビール文化は、観光客が思い浮かべる「大きなビアホール」だけでは終わらない。 修道院でつくられるビールがあり、郊外の小さな村に醸造所があり、古い醸造所の隣には、ガレージから始まった新しいブルワリーがある。 ミュンヘンでビールを飲むということは、どうやらビールそのものだけではなく、バイエルン(Bayern)という土地の時間を飲むことなのだ。
いまさら聞けないBayern

ミュンヘンへの旅のスタートは、王道からAugustiner、Hofbräuhaus、Schneider Bräuhausを巡る。
⸻ まずは、ミュンヘンの「三大」に挨拶する 旅の最初は、王道から始めよう。 ミュンヘンでまず訪れたいのは、Augustiner、Hofbräuhaus、Schneider Bräuhausの3軒だ。 なかでもAugustinerは、この街のビール文化を知る入口として面白い。 中央駅近くにあるAugustiner-Kellerは、巨大なビアガーデンを備えたミュンヘンの名所。夏の午後ともなれば、大勢の人が木陰のテーブルを埋める。

けれど、もう少しビールそのものに近づきたいなら、醸造所に併設されたBräustubenへ行ってみたい。
ここでは樽からヘレスが注がれる。 樽が空になるとベルが鳴り、ハンドリフトで新しい樽が運ばれてくる。 工場の見学でもない。ショーでもない。
いつものようにビールが造られ、運ばれ、飲まれていく。その光景こそがミュンヘンの日常

ただ、今日もいつものようにビールがつくられ、運ばれ、飲まれていく。 その「普通」の光景こそが、ミュンヘンらしい。 Hofbräuhausは、もっと観光客にも開かれた場所だ。 旧市街の中心にある巨大なビアホールには、昼も夜も人が集まる。歴史の重さを感じながらも、店内は驚くほど活気に満ちている。
一方、白ビールが好きならSchneider Bräuhausへ。 ヴァイスビアの名手として知られ、定番のOriginalから、ホップを効かせたHopfenweisse、力強いAventinusまで、飲み比べる楽しみがある。 同じ「ミュンヘンのビール」でも、三軒を巡るだけで表情が変わってくる。
電車に乗れば、ミュンヘンビールの風景はもっと広がる

ミュンヘンの面白さは、街の中心だけではない。 少し遠くへ行ってみると、ビールが「観光地」ではなく「土地そのもの」と結びついていることが見えてくる。 その代表が、Andechsだ。 ミュンヘンから南へ向かい、さらに丘を上る。 そこにあるのがKlosterbrauerei Andechs。修道院であり、醸造所でもある場所だ。 丘の上から眺める風景のなかで飲むビールは、街中のビアホールで飲むものとは少し違って感じられる。
ここで飲みたいのは、HellとDoppelbock Dunkel。 選択肢が多すぎないのもいい。 土地を訪れ、その場所でつくられたものを、そこで飲む。 旅の原始的な楽しみは、案外こういうところにあるのかもしれない。
「世界的なビール」は、小さな村にもある そこがAying

「世界的なビール」は、小さな村にもある もうひとつ訪れたいのがAying。 ミュンヘンから南東へ向かうと、風景は少しずつ都市から離れていく。 この小さな村にあるのがAyinger Privatbrauereiだ。
ここでは、デュンケル、ケラービア、ピルス、輸出用ラガーなど、さまざまなビールを楽しめる。 大都市ミュンヘンで「有名なビール」を飲むのもいい。 けれど、そのビールが生まれた土地まで足を運んでみる。 すると、グラスの中身だけではなく、その背後にある村の風景まで味わえるようになる。 その途中には、Forschungsbrauereiという小さな醸造所もある。 こうした場所を組み合わせて巡ると、ミュンヘン旅行はいつの間にか「ビールを飲む旅」から、「ビールが生まれる土地を訪ねる旅」へと変わっていく。

伝統と革新が融合するのが 新しいミュンヘン
伝統だけではない。新しいミュンヘン そして、今のミュンヘンを知るなら、古い醸造所だけを巡っていてはいけない。 この街では近年、新しいブルワリーも存在感を増している。 その代表がGiesinger Bräuだ。 2006年、ガレージから始まったこの醸造所は、今ではミュンヘンを代表する民間醸造所のひとつになった。 看板となるヘレスは、伝統的なスタイルを守りながらも、どこか力強い。 「ミュンヘンのビール」と聞いて想像するものを、少しだけ現代へ引っ張ってきたような味わいだ。 もう一軒、気になるのがTrue Brew。 ここにあるLagerhausは、その名の通りラガーを中心にした店だ。 ヘレスという、一見するとシンプルなビールを丁寧につくる。 実はこうした淡色ラガーほど、ごまかしが利かない。 麦芽、ホップ、発酵、温度、時間。 何かひとつバランスを崩せば、すぐに味に出る。 だからこそ、ミュンヘンという街で「ラガーがおいしい」ということには、大きな意味がある。
ミュンヘンのビール文化は、昔ながらのものを守るだけではない。 守るべきものを守りながら、少しずつ変わっている。

⸻ 旧市街から少し外れて、街の今を探す 中心部だけでも、まだまだ飲む場所はある。 Schiller Bräuでは伝統的なスタイルを現代的に楽しめるし、特にデュンケルが面白い。 Tilmans Biereは、さらに自由だ。 ヘレスにアメリカ・ヤキマ産のChinookホップを使ったり、ダークビールにイギリスのKent Goldingsを合わせたり。 ミュンヘンの伝統を否定するのではなく、そこへ別の土地の感覚を少しだけ持ち込む。 その控えめな大胆さが面白い。 ミュンヘンのビール文化は、昔ながらのものを守るだけではない。 守るべきものを守りながら、少しずつ変わっている。
ビールを飲むために訪れたはずなのに、気がつけば、その土地の時間を旅している
⸻ ビールの向こう側にある、ミュンヘン ビールを飲むことだけが目的なら、これほど遠くまで行く必要はない。 駅前にもビアホールはあるし、旧市街にも有名店はいくらでもある。 それでも電車に乗り、丘を上り、小さな村へ向かう価値があるのは、ビールがこの土地の風景と切り離せないからだ。 修道院。 村。 教会。 古い醸造所。 新しいブルワリー。 そして、夕方のビアガーデンで隣り合う見知らぬ人たち。 ミュンヘンのビール文化は、ひとつのブランドでも、ひとつの名物料理でもない。 長い時間をかけて、この土地の暮らしの中に沈殿してきたものなのだ。 だから、この街では急いで飲まないほうがいい。 一杯目は、旅の挨拶。 二杯目で、街の輪郭が少し見えてくる。 そして三杯目には、ミュンヘンという場所が、観光地ではなく「誰かの日常」として立ち上がってくる。 ビールを飲むために訪れたはずなのに、気がつけば、その土地の時間を旅している。 ミュンヘンという街の面白さは、たぶんそこにある。
もう一つの日常が Fußball-Club Bayern München e. V.
TRANSPORTERへの広告のご用命は直接メールにて
※写真や資料の引用についてはその引用先を明確にして、細心の注意を持って情報を取り扱っていますが、不備な点等 ございましたら何なりとご一報ください。訂正、又は削除致します。
