AMERICAN BEER COLUMN #12 -アメリカンフードトラック-
TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.19(2018)
そろそろ日本は梅雨の心配をする季節でしょうか。クラフトビール天国のカリフォルニア州、特に南カリフォルニアは年間を通して温暖な気候で、雨も滅多に降らない。(隣家は子供4人の総勢6人ファミリーなのに、傘はパパのゴルフ用の1 本だけ!)梅雨のある日本で生まれ育った私には、彼らがテレビの天気予報とにらめっこするような習慣も必要ないほど「晴れるはず!」という前提条件なのは羨ましい限り。ということで、梅雨時期でも気分だけは晴れやかに毎日のビール日和を盛り上げるネタ、アメリカで暮らす日本人が感じるアメリカ食文化をご紹介!
アメリカでは、老いも若きもフードトラックが大好き。雑誌でもフードトラックの特集が組まれるほど。ビールやBBQイベントのような場所はもちろんのこと、月や週ごとにスケジュールが組まれたフードトラックがブリュワリーの敷地内で販売するブリュワリーも多い。ブリュワリーのおいしいビールと人気のフードトラックとのフードマッチングもお楽しみの一つ。そんなフードトラックの種類も実に多種多様。しかもお持ち帰りOK という手軽さとリーズナブルさも嬉しいポイント。街なかで普段見かけることが多いフードトラックはジェラートやソフトクリームのようなデザート系。他には、ハンバーガーやサンドイッチ、メキシカンスタイルのタコスやブリトー、イタリア系パニーニやピザ、トルコ系のケバブ…。最近だとスシ(あくまで「寿司」でも「鮨」でもなく!)も。要はありとあらゆる食べるものなら何でも。おいしいフードトラックかどうかを見分けるには「地元の人」に聞くのが一番。迷ったら近くのコンビニの店員さんやカソリンスタンドの人に聞くと耳寄り情報がもらえたりするのでオススメ。ちなみにブリュワリーに横付けされているフードトラックや、ビールイベントなどで入っているフードトラックはブリュワリーオススメの場合が多いので、おいしいと信頼してぜひトライしてみるべし!
フードトラックの特集が組まれた雑誌。色とりどりで多種多彩。
シエラネバダの創業者ケン・グロスマンがビールイベントでサービング。大御所で恐れ多すぎるけれど、そんなフレンドリーさがさらに多くのファンを呼ぶ。
日本でのグルメ系フードトラックは各地で増えてきているとはいえ、お祭りのときの的屋さんのほうがまだ馴染みが深いかもしれません。「気軽に」というコンセプトを元にオススメしたいのが、アメリカでも人気の「フードコート」スタイル。日本では、今まさに「フードコート」のスタイルが各地で急増中。商業施設に限らず、街なかの独立したビルの1階が突然フードコートスタイルになって注目を集めていたり。手前味噌ですが、今年3 月下旬にオープンした「Antenna America」横浜店や同じく3 月下旬に店舗リニューアルした「Antenna America」品川店もフード、ビールの持ち帰りが自由なフードコートスタイル。フードトラックと同じく1 杯、1 本、1 品だけでも気軽に注文できるのは嬉しいですね。新しいビールブランドがここ数年で「初登場」とか「初来日」といった文言がない月がないくらい、続々と入ってきていることはクラフトビールファンにとってはとてもワクワク楽しいもの。クラフトビールに接する機会が増えてくると同時に、ビールだけでなく様々なフードもあわせる選択肢が増えてくること。それがより一層おいしいビールを飲みたくなる原動力に繋がると思っています。ますます楽しい夏が待ち遠しいですね!
街中で偶然見かけたフードトラック。よく見ると「リトルオオサカ」というカレーライスボールのようなものが。生姜にソラチャソース(辛いソース)がスパイスになっているらしいけれど。フードトラックならではの面白いフードを発掘できる楽しみも。(日本人としておいしいとは限らないけれど!)
お酒の購入、飲酒はアメリカ国内では21 歳から。ご旅行の際はID を忘れずに。
大平 朱美
akemi ohira ( 株)
ナガノトレーディング 代表取締役 アメリカビール冷蔵管理輸入の パイオニア。アメリカ食文化情 報発信基地として横浜関内に直 営店Antenna Americaを運営。 カリフォルニア在住。
その他の記事
-
植竹的視点 – “コラボレーションの定義” –
-
植竹的視点 -“ホップの香味について再検証”-
-
植竹的視点 -“ポスト・ホップ”を探せ-
-
植竹的視点 – “クラフトビールの定義” –
-
植竹的視点 Season2 -麦酒と書いてビールと読む。ビールは麦のお酒。-
-
植竹的視点 Season2 -ホップ製品進化論-
-
植竹的視点 Season2 -ブルワーってどんな仕事?-
-
植竹的視点 Season2 -もうすぐ工事着工です-
-
植竹的視点 -“クラフト” はどこまでサイエンスに歩み寄れるか-
-
植竹的視点 -クラフトビールの価格について再検証-
-
植竹的視点 -「一年が経過してみて」-
-
植竹的視点 -「表現型としてのビール作り それに至る思想」-
-
植竹的視点 -「足るを知れば今日より明日は ちょっとイイ日になる」-
-
植竹的視点 -「試される大地からの挑戦」-
-
植竹的視点 -「綺麗なビールとはなんぞや? 再考クリアネス」-
-
植竹的視点 -「地ビールはクラフトビールへと進化し、 そして再び地ビールに回帰する、かも?」-
-
植竹的視点 – 「切っても切れない水とビールの関係性」-
-
植竹的視点 season2 -トロントからの現地リポート-
-
植竹的視点 season2 -改めて感じるブランディングの重要性-
-
植竹的視点 Season2 -もしかすると “ビールを作るのは難しい” という時代は終わったのかもしれない-
-
植竹的視点 Season2 -日本に帰ってきました-
-
植竹的視点 Season2 -醸造設備についてのアレコレ-
-
植竹的視点 Season2 -絶対に忘れちゃいけないのは、ビールは酵母が作るということ-
-
AMERICAN BEER COLUMN #1 スーパーマーケット編
-
AMERICAN BEER COLUMN #6 -「どうなる?アメリカクラフトビール2017」-
-
AMERICAN BEER COLUMN #7 -「アメリカ西海岸ビールのススメ」-
-
AMERICAN BEER COLUMN #8 -ビールの入れ物の話-
-
AMERICAN BEER COLUMN #9 -アメリカビール片手にアメリカ式BBQのすすめ-
-
AMERICAN BEER COLUMN #10 -時代は缶ビール!<缶ビールの裏話編>-
-
AMERICAN BEER COLUMN #11 -クラフトなレストラン-
-
AMERICAN BEER COLUMN #13 -アメリカ式BBQ伝授編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #14 -『Meet the Brewer』には参加してみよう!編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #15 -アメリカのブリュワリーを日本から応援しよう!編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #16 -アメリカで流行中!りんごのお酒「サイダー」に注目!編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #17
-
AMERICAN BEER COLUMN #18 -年明けからHazy に埋もれよう!-
-
AMERICAN BEER COLUMN #19 -「アメリカ最先端を楽しむ」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #20 -「アメリカのブリュワリーの今」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #2 -クラフトの競争編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #3 「アメリ『缶』クラフトビール」
-
AMERICAN BEER COLUMN #4 「アメリカ式クラフトビールイベント事情」
-
AMERICAN BEER COLUMN #5「休日スタイル」
-
藤田こういちのベルギービール新書1 -ベルギービール、トラディショナルとクラフトの波-
-
藤田こういちのベルギービール新書 2 -ALL AROUND SAISON セゾンビールのホント?のところ-
-
藤田こういちのベルギービール新書 3 -「BXL Beer festレビュー」新たな一歩-
-
藤田こういちのベルギービール新書 4 -地味なビールの話 Forward to the Basic-
-
藤田こういちのベルギービール新書 5 -(ベルギービールの)真骨頂ランビックとその未来-
-
藤田こういちのベルギービール新書 6 -今だから、トラピストビール-
-
藤田こういちのベルギービール新書 7 -ベルギー出張 珍道中? 【前編】-
-
藤田こういちのベルギービール新書 8 -ベルギー出張 珍道中? 【後編】-
-
AMERICAN BEER COLUMN #21 -「アメリカの今・どうなるコロナ禍での生活」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #22 -「アメリカビール好きはすごくポジティブ!」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #23 -「ビール界の女子パワー」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #24 -「気分はアメリカ★ 夏とハードセルツァーが楽しみすぎる」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #25 -「チーズ作りの隠し味がビール?!」編-
-
AMERICAN BEER COLUMN #26 -「日本のスーパーがアメリカの品揃え?! キーワードは「種類」だ!」編-
-
藤田こういちのベルギービール新書 11 -ローカルの行方-
-
藤田こういちのベルギービール新書 9 -ベルギービールの賞味期限〜ボトルの美味しさ〜-
-
藤田こういちのベルギービール新書 10 -ビール と 人-
-
藤田こういちのベルギービール新書 12 -意識して飲むということ-
-
藤田こういちのベルギービール新書 13 -ビールは死なない-
-
加地争論 KACHI SOURON!! -第一回「作り手と売り手」-
-
Ryo’s EYE -From issue 15-
-
Ryo’s EYE -From issue 16-
-
加地争論 KACHI SOURON!! -第三回「IS THAT REAL JUDGEMENT?」-
-
加地争論 KACHI SOURON!! -第四回「Monster Beer Geeks」-
-
SUB CULTURE -思い立ったら旅にでよう-(From Issue14)
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅にでよう -From issue 15-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅にでよう -From issue 16-
-
Ryo’s EYE -From issue 17-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう(海外編) -From issue 17-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう(国内編)-From issue 17-
-
Ryo’s EYE -From issue 18-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 18-
-
Ryo’s EYE -From issue 19-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 19-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう(海外編) -From issue 20-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 21-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 22-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 23-
-
『クラフトビールを学ぶ旅』 -From issue 22-
-
ミッドナイトシャッフル -From issue 22-
-
『クラフトビールを学ぶ旅』 -From issue 23-
-
昼からBeer Talk!! #2 Edited by Europe -From issue 04-
-
『クラフトビールを学ぶ旅』 -From issue 24-
-
SUB CULTURE 思い立ったら旅に出よう -From issue 24-
-
昼からBEER TALK!! #3 Edited by Beer Pub -From issue 05-
-
『クラフトビールを学ぶ旅』-From issue 25-
-
B 〜美味しいビールが引き寄せる ローカルコミュニティとしての 大人の社交場〜 -From issue 28-
-
昼からBEER TALK!! -From issue 06-
-
“GO TO BRUSSEL” -ブリュッセルに行こう!-
-
New England Area Beer Trip -From issue 14-
-
BREWDOG HISTORY 10th Anniversary -クラフトビール界の革命児と言われたジェームズワットの10年の軌跡-
-
GO TO BELGIUM! -伝統と革新の国ベルギー!-
-
一人旅をしよう ソウル編
-
「そうだ!タンパに行こう」 -From issue 26-
-
北出食堂 -From issue 27-
-
「そうだ!ウエストコーストに行こう!」-From issue 27-
-
「そうだ!イギリスに行こう!」-From issue 28-
-
ヨーロッパ最前線
-
CBC & WBC -CRAFT BEER CONFERENCE & WORLD BEER CUP-
-
Beer Festival & BIJ Summary -From issue 13-
-
心赴くままにロンドンへ・・・前編
-
PORTLAND OREGON USA
-
PORTLAND OREGON USA -SOUR SOUR SOUR-
-
European NOW!! -“ヨーロッパの今”-
-
1 BEER × 1 FOOD
-
PORTLAND OREGON USA -DO YOU KNOW GROWLER?-
-
COEDO Craft Beer 1000 Labo
-
加地争論 KACHI SOURON!! -第二回「樽返却から見る常識・非常識」-
-
ベルギーに「インスパイア」されたビールとは?