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AMERICAN BEER COLUMN #5「休日スタイル」

TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.12(2016)

2022年 11月 14日 10時 03分 投稿 308 Views
 クラフトビールの盛んなカリフォルニア州に広がる青い海と広い空。私の住むロサンゼルスの気候は乾燥・乾燥・そして乾燥。昼間は暑いけれど木陰に入ると風が涼しく、喉を潤すには最適。オンとオフのはっきりしているアメリカ人の休日は、家族や友人たちと昼間から美味しいクラフトビールを片手にのんびりゆったり過ごす人もいれば、アミューズメントスポットで楽しむ人も様々。まさに人種のるつぼであるアメリカ的休日スタイルをご紹介。

休日の大定番フードスタイルは男性が振舞う豪快な「BBQ」

 アメリカの家庭の99%は持っているBBQ グリル。これは一戸建てでもアパートでも関係なくどこの家庭にも標準装備。そのメニューはステーキ、シーフード、リブ、野菜から煮込みなど、ジャンルにするとハンバーガーのアメリカンを筆頭にギリシャ、イタリア、スペインなどなど多種多様。料理は率先して男性が行う。最近、日本でも増えてきた料理男子もトライすべき?!

 休日BBQ は、昼過ぎからが定番。軽い朝食程度で集まってきた人は、IPA やラガービールを片手に遅いランチを楽しみながらたっぷりおしゃべり。しばらくたって小腹が空いたらアンバーエールやベルジャンスタイルのビールと軽いクラッカーに様々なディップをつまみにまたおしゃべり・・・。少し肌寒くなる夕暮れ時にはメインディッシュのリブやステーキが登場。大人のシメにはバニラアイスクリームの上にたっぷりインペリアルスタウトをかけてゆっくり味わう時間を。

週末パーティーのお呼ばれには「パック」を手土産に

 そんなパーティーにはやっぱりクラフトビールを手土産に。アメリカでの店頭では4本または6本単位で販売されているが、パーティーの手土産にお勧めなのが12本単位で販売されているケースパック。例えばどこのスーパーでも必ずあるのはSierra Nevada Pale Ale やLagunitas IPAといった人気アイテムの12本パック。今年7 月にカリフォルニアで流通開始したFounders Brewing「All Day IPA」は通常の12本パックに3本おまけがついた15本パックということもあってかなり好評。その他、「種類の違うものを飲みたい!」という贅沢な悩みを解決するお勧めは「ミックスパック」。ブルワリーがセレクトした人気の3−4種類が入っている。ちなみにこういった隣には大手の量産ビールが販売されていることもあるが12本や24本単位で売られているクラフトビールに対して大手量産ビールは30本や35本といった単位のことも。アメリカはBIGGER IS BETTER(大きいことはいいことだ!)なのである。もちろん何事も良識の範囲で(!)。

クラフトビール上級者!?こだわり自慢の「グラウラー」

 パックのビールもいいけれど、こだわり自慢なグループに便利なのがグラウラー。グラウラーはいわゆるお持ち帰り生ビールボトル。ブルワリー併設レストランではよく見かける大きなボトルはたくさんの人が集まるパーティーには最適!一般に入手しにくい限定品なども持ち帰りできるとあってグラウラーは不動の人気。持ち込むグラウラーは同じブルワリーのものであることは大人のビール好きとしてのマナーなのでお忘れなく。また、グラウラーはあくまで簡易容器なので保存には不適。中のビールは当日または遅くとも翌日までには消化しよう。最近のブルワリーでの持ち帰りビールの傾向としてはタップから中身を入れた後にシーリングしてくれる缶グラウラーとも言えるクラウラーも人気。

アウトドアでの合言葉は「省スペース」「地球に優しく」

先日訪れたのはNY 州北部において海は遥か彼方。そこ では湖畔の「キャンプ」でアウトドアクラフトビールをエ ンジョイ。「キャンプ」と言ってもテントを張ってシュラフ で眠るのではなく、日常住んでいる家とは別にある山や湖、 海にある山荘(別荘)のこと。山荘、別荘と言っても、トイレ、 ちょっとしたベッドが置いてある小さな家。夏休みに一週間だけ、とか週末に家族で過ごすため、といった用途が多い。もちろんそこでも料理はBBQ が基本。スペースがない中でドリンク類もできるだけたくさん持参したい場合、省スペースで片付けも便利な缶は「キャンプ」では今や必須アイテム。氷をたっぷり入れたクーラーボックスに缶ビールを入れて蓋をすればまるまる1 日冷たさとおいしさをキープ可能。

 

スポーツ観戦にもクラフトビール

スポーツが盛んな国アメリカでは観戦にもビールは欠か せない。アメリカ4大スポーツといえばベースボール、ア メフト、バスケットボール、アイスホッケー。クラフトビー ル天国サンディエゴを本拠地にするNBA(野球)「Padres」 のホーム、ペトコパークスタジアムではサンディエゴを代 表するStone Brewing やBallast Point のバーまで完備さ れているので最高の状態のビールを片手に試合観戦をする 事が出来る。また、ロサンゼルス市南東にあるアナハイム にはNBA(野球)「Angels」、向かい側にある大型室内スタ ジアムのホンダセンター(日系車メーカーのホンダ)では NHL(アイスホッケー)「Ducks」。観客席の電光広告には Firestone Walker の文字が流れ、もちろんビール片手にアイスホッケー観戦!

クラフトビールを飲みながら楽しむ休日スタイルは様々。
日本でも休日は色々なシチュエーションでクラフトビールを楽しんで頂きたい。そしてアメリカを訪れた際はぜひ「日常のクラフトビールな風景」に触れてみてはいかがだろうか。
ちなみにアメリカでの飲酒可能年齢は21歳。日本でのアルコール解禁は20歳だが、アメリカでは法的に飲酒不可なのでご注意を。
大平朱美akemiohira
( 株) ナガノトレーディング代表取締役
アメリカビール冷蔵管理輸入のパイオニア。アメリカ食文化情報発信基地として横浜関内に直営店AntennaAmerica を運営。カリフォルニア在住。
     

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