ヨーロッパ最前線
TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.11(2016)
「伝統こそ新しい」
これはPigalleがバイブルとしている本のタイトルでありそして忘れずにいつも心に留めている言葉。
僕らがヨーロッパを目指すのは《伝統》があり、だからこそ生まれる《新しい》ものがあるから。
この記事を読んで一人でも多くの方がビールの【伝統と革新】を感じにヨーロッパへ足を運んでほしい。
LONDON ロンドン
London Beer Mile①
ロンドンのクラフトビアシーンを楽しむなら絶対外せないのが土曜日。各醸造所で行われている解放デーは醸造所の中を見学したり、ビールを飲むことも買うことも。通称【Beer Mile】と言い、一杯飲んで次の醸造所へと飲み歩くのがロンドンの土曜日。この時はBrew By Numbers、Partizan、The Bottle shop、EEBRIA などをビアマイル!
Beavertown Brewery②
世界のクラフトビールファンの注目を一挙に集めているロンドンのクラフトビールといえばココ! この日は4 周年アニバーサリーで物凄い数の人! 人! 人! 特筆すべきは何と言ってもカスクエール。そしてゲストの30 ブリュワリーはイギリス中心で全てヨーロッパ醸造所のみ! 味良し!! デザイン良し!!!
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DEVON イギリス南部
Ye Olde Cider Bar①
サイダーとフルーツワインの専門店。Devon まで来た目的の一つがこのバー。木樽からサーブされるSam’s Traditionalのミディアムサイダーの美味しさは今まで体験したこのない感動。イギリス全土に5軒しかないサイダーのみのバー。
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The Beer Celler②③
Exeterにあるクラフトビアバー。コーニッシュ地方のクラフトビールが中心で知らない銘柄がずらり。もちろんサイダーも!
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Sandford Orchards④
地元から本当に愛されているDevon地方を支えるサイダリー。ここではスクランピ以外にもジンジャーサイダー、ベリーサイダーなど12 種類をドラフトで。日本では三軒茶屋Pigalle で飲むことができます。
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The Fat Pig⑤⑥⑦
ビール、サイダー、食事、全てが素晴らしいく、地元の人に聞いても必ず皆がお勧めする一軒。地下にビールの醸造所併設。上の階にはジンの蒸留所も建設中。自分たちの豚も飼育しています。何よりオリジナルサイダーはヤバいの一言。
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Gray’s Cider⑧⑨⑩
親から子へ、300 年続くサイダリー。酵母を一切使用せず造るグレイ家のサイダーはランビックを思わせる味わい。りんごの栽培、収穫も全て自分たちで行っています。セラーで見た光景は素晴らし過ぎて息を飲むほど。
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MANCHESTER マンチェスター
MagicRock Brewery①②
念願のマジックロックブリュワリーへ。醸造所と近所のパブでしか飲むことの出来ないカスクエールはビールに全くストレスがかかっていない感動的な美味しさ! 印象的だったのはオーナーのリチャードの『お客様が同じビールをお代わりしてくれる事がすごく大切だと思ってる』という言葉。パブ文化、ビール文化が根付いている国ならではの意見。
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CLOUDWATER BREW CO.③
長野のLIBUSHI 里武士Anglo-Japanese Brewing Co. のTomさんお勧めのブリュワリー。IPAが素晴らしく、更にLager、HopfenWeisse などドイツスタイルも醸造。どれを飲んでも完成度は高くこれからの期待大!
The Marble Arch④
最高のビターを飲みたいならこちらへ。1829 年から続く老舗パブ。静かで趣ある店内で飲むMarble Brewery のManchester Bitterは別格。どこへも行かず、ただただこのビールを飲み続けることこそ本当に贅沢な時間。
Pie&Ale⑤
イギリスといえばパイ! こちらではモダンなパイ料理とカスクエールが楽しめる。この日はSiren Craft Brew のペールエールを。Siren はロンドン郊外にありこちらも大注目のクラフトブリュワリー。
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Cafe Beermoth⑦⑧⑨
12 月にオープンしたばかりの一押しクラフトビアバー。圧巻のカスクルームは地元のブリュワリーとヨーロッパ中心のセレクション。カスクエールのみならずランビック、サワーエールの品揃え、ボトルも豊富。というのも元はボトルショップから始まっているお店。ここのチーズプレートは必食! このお店に行くだけもマンチェスターに行く価値あり。
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Bretagne フランス北部
Cidrerie du Golfe
ブルターニュ/ ヴァンヌのシードリエ。りんごが熟して自然に落ちるまでは収穫しないというこだわりの造り手。カンティヨンが好きでランビックにも影響を受けているそう。“ギルビック”というこの地方だけのリンゴを使ったシードルも。ブルターニュではぜひクレープも!
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Copenhagen コペンハーゲン
SPY BREW
自宅の地下を醸造所にしてしまったJens さん。“マイクロブリュワリー”より小さい“ナノブリュワリー”だとか。とにかく綺麗な醸造所で品質が良い。コペンハーゲンのビアバーはもちろん、ビアフェスなどにも出店しファンを増やしている。
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Himmeriget
招待してもらったコペンハーゲンの新しいクラフトビアバーのプレオープンへ。なんとCantillon Blabaer2015 がドラフトで。アメリカのクラフトビールはもちろんのこと、感動したのはドイツMahr’s Brau のケラービールがドラフトであること。ここのリストは素晴らしすぎてビアバーをやっている人間は嫉妬せずにはいられないはず。
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AEBLEROV
超有名レストランの元ソムリエ2 人が造るコペンハーゲンのサイダー。シャンパーニュと同じ製法で手作業で一本一本澱引きをしています。フランスのシードルを思わせる繊細な味わいから、ビールとサイダーを混ぜたユニークなテイストまで。《りんご泥棒》の意をもつ彼らのサイダーは今やデンマークのガストロノミーで大注目のサイダリー。
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WarPigs
遂にMikkeller とThree Floydsのブリューパブがオープン。22 タップとBBQ が楽しめます。秘密の地下セラー、イーストラボなど裏の裏まで見学。デンマークにMikkeller がなければここまで北欧のクラフトビアシーンは伸びなかったのでは…と思うほど。間違いなく最先端です。
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Restaurant Schonneman
デンマークといえばスモーブロー( オープンサンド)! 伝統あるこのレストランはデンマーク人なら知らない人はいないほど。世界一に4度選ばれたレストランnoma のレネ・レゼピも大好きな一軒。
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Kebabistan
物価の高いコペンハーゲンで助かる安くて美味しいファーストフードはKebabistan !ジャンクだけれど問答無用でめちゃ旨い!!
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Restaurant Taller
いまデンマークでは北欧のエッセンスを残しつつ自分達のルーツを取り入れたレストランが続々NEW オープン! 中でもベネズエラ料理がベースのこちらはがイチオシ。ワインペアリングにはマネージャーJacob の地元Fano 島のクラフトビールも入っている。
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Torino イタリア北部
Birrificio LoverBeer
日本でもおなじみとなったLOVERBEER の為だけにイタリアまで足を延ばしたと言っても最早過言ではありません。Valter さんが好きなのは昔々の酸のあるベルギーのSaison ビール( 例えばSaison de Pipaix)。セラーでは常に2000ℓの麦汁( これをValter さんはBiere du Lambic と呼んでいました。ランビックではないけれど影響は受けている。) が眠っており、季節の果物や野菜の収穫を待っています。まさにワイナリーや農家のような醸造家です。
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Bar Pino
イタリアと言えばエスプレッソ!ローカルで味も雰囲気も最高!!
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