心赴くままにロンドンへ・・・前編
TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.9(2016)
ロンドンのヒースローに飛び降りたのは12/4。街中がクリスマスの雰囲気一色。初めて見る景色、初めて買った地下鉄のオイスターカード、クリスマスの気分を味わえたという事でテンションが上がりまくりのイギリス旅行記を2回に分けてお届け。前編はロンドンにて最も素晴らしかったパブ「The Rake」での体験をレポートする。
ロンドンでの移動手段は基本的に地下鉄。そして駅から目的地へ歩くのがベストだろう。EAST SIDE のホテルから乗り継ぎ、テムズ川沿いを走るグレーラインのLONDON BRIGE 駅で降車。クリスマスの雰囲気漂う教会を抜けるとBOROUGH MARKET の端に位置するのが「The Rake」
ロンドンでもTOP3 に入るであろうパブに足を踏み入れる。決して大きいとは言えずこじんまりとしてるが風格のある店内。早速、マネージャーであるJenciと挨拶を交わしお勧めのビールを聞くと「イギリスのビール? アメリカのビール? どちらが良い?」。アメリカのビールも数多く輸入されているのは日本と同じ状況、値段はイギリスのビールとほぼ同価格で提供されている。
ここはイギリス、勿論イギリスのビールを注文。The Rake ではCASK(リアルエール) が3 基とKEG が7基、他のパブではCASK の割合が多いパブもあり、これがイングリッシュパブか…と思いながら端から端迄飲んでみる。つまみはスコッチエッグ、サラミ、ポテトチップスなどの簡単な物はあるがそれ以外はなし、兎に角ビールを飲め! と言わんばかりの姿勢が潔い。この日のラインナップはCASK が
「TIKETYBREW:COFFEE ANISE PORTER」
「OAKHAM ALES:JHB」
「OAKHAM ALES:CITRA」
KEG は
「BREW DOG :PUNK IPA」
「HARDKNOTT:DARK ENERGY BERLINER PILSNER」
などイギリスを中心に様々な国のビールをラインナップ。
Jenci 曰く、自分が良いと思ったモノだけをイングランドを中心にヨーロッパからアメリカ、日本まで幅広く仕入れるといったスタイル。「日本のHITACHINO は最高だよ」とJenci は言う。日本のビールは全部美味しいよね! とありがたい言葉も頂いた。彼はナイスガイだ。
肝心のビールは飲んだ7種類全てがしっかりと管理されており美味しく、日本でもおなじみのパンクIPA はフレッシュでいてクリーン。KEG、CASK 共に提供時の状態が素晴らしい。特にCASK はアルコールが低いのにも関わらず、ボディの緩さを感じさせない。個人的には究極のボディといっても過言ではないバランスに衝撃を受けた。ホップも効いているがモルトの旨味もしっかりと主張するのがイギリスビールの特徴と言えるだろう。アメリカの個性的なクラフトビールとは違い、イングリッシュスタイルのホップとモルトのバランスには個性だけではなく歴史という味すらも感じる事が出来る… ような気がする。
飲んでいると隣のテーブルのお兄さん達からチーズを貰ったり、Jenci や他のスタッフとのビール談義や趣味の話などのたわいもない会話は以前から友達だったような感覚にさえなりとても心地良い。見渡せばお客さんの年齢層は幅広いがその誰もがくつろいだ雰囲気を見せている。パブという形の本質を垣間みた気もする。それにしても短時間で平気な顔をして4、5パイントは飲んで帰っていくロンドンっ子…恐るべし。
PUB{The rake}
http://www.utobeer.co.uk/the-rake/
住所: 14a Winchester Walk,
Borough Market SE1 9AG UK
電話:+44 20 7407 0557
営業時間:12:00 ~ 23:00
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