昼からBEER TALK!! #3 Edited by Beer Pub -From issue 05-
TRANSPORTER BEER MAGAZINE No.5(2015)
>>> 現在のビアパブの状況
【青木】 ビアパブ、、、流行っているんでしょうね(笑)。若い人達を中心にクラフトビアに興味を持ってくれて広まっている感覚はある、まだ良い流れは続くだろうけれどいつまで続くかは分からないからシッカリとビールの良さを伝えなければならない。
【菅原】卸しているビールも毎年30%以上成長している、単純な要因として色々なお店が増えている。青木さんのポパイの様な聖地もあれば新進気鋭のお店、うちはその中間で昔からやってるからとりあえず頑張るしか無い。ビアパブチェーンが増えないのは問題かなとは思っている。個人店にするのか多店舗にするのかはオーナーの意向次第だが、増やして行きたい人間が増やせない現状がある。会社として次のステップを考えると色々と悩む人も多いのではないかと思う。
【石渡】オーナーや社長のお二方と違って僕は雇われ店長、経営ではなくお店としての数字で見るとビアパブは儲からないと言うのが第一印象。原価率等々を考えるとビール一本でやっている所ほど大変なのでは? 幸いデビルクラフトにはピザがあるのでカバー出来ている、ビールの需要は増えて来ているので売り手として色々なビールを紹介出来る様に頑張りたい。
【川島】 未だクラフトビールと言う言葉を知らない人は多いと思います。日本人はビール好きが多いのにビール=ピルスナー。クラフトビールが身近になると言う意味ではお店が増えているのは良い事だと思っています。
>>> ビールについて
【梶谷】飲んでいる側としても、とても増えた印象です。都内は去年だけで30軒以上、同じタイミングで出来てもお店によっては最初からビールを良い状態で出してくれる所もあればそうでないお店もある。お店としてその違いはどう考えているのかお聞きしてみたい。
【青木】アメリカのBrewers Association のサービングマニュアルは「お店を始めるのは簡単だがビールと付き合っていくのは簡単ではない。ビールの事を良く勉強しよう」という冒頭から始まる。よく「他に店をやらないのか?」と聞かれるけど2軒は出来ない。裏方としてビールを管理する事は簡単じゃない、注ぎ手もビールの味を知らなければ話にならない。
【菅原】タップ数に対してお客さんの数による回転の影響もあると思う、空冷・瞬冷、二酸化炭素や窒素でも変わるけれど時間が経てば影響はあります。スパイス系のビールだと開けた後に風味が飛んでしまう事もある。お客さんも結構いい加減だったりして「海外で飲んだ方が美味しかった! 」なんて話もされる時もあるが雰囲気に飲まれていたりする時もあるんじゃないですかね( 笑)。うちが輸入しているセリスホワイトと言う銘柄は夏と冬でレシピが分かれていて、夏は爽やかな様に酸味を増しているんですがスタッフからは酸味がありすぎて売り辛いと言うのでブルワリーに頼んで冬用に変えてもらったんです。その後、社員研修でベルギーに連れて行って夏用を飲むと「こんな美味しいセリス飲んだ事無い!」って普通な顔して言う、、、あれだけ言っておいてそれかい! みたいな( 笑)。なので勿論味の分かっている方も沢山おられますが雰囲気も無関係じゃないかなと。すいません言い過ぎました!!!
【石渡】でもビアパブとして雰囲気作りってとても大事で、美味しい物をより美味しく思わせるハッタリ? 洗脳? 的な( 笑)。それ以外にも細かい話をすればグラスの洗浄やサーブの仕方や泡の立て方で味だけじゃなく香りも全く違う。お店としてのポリシーが表れる部分ですね。
【川島】店主の解釈で凄く違いますよね、温度にしてもグラスにしてもビールは繊細だから如実に味が変わる。現状お店が増えて来た段階で正直な話、ビールに興味は無いけれど流行なので扱っている人もいる。好きじゃないと研究もしないだろうし美味しいと思っていないのに美味しく出せるとは思えないです。
>>> お店が仕入れたいビール!?
【青木】良いビールが日本の物も海外の物もどんどん増えて来て アレも置きたいコレも置きたいと思っていたら見ての通り 100TAP になった。トレンドも大事だが一番はクオリティの 高いものを仕入れたい。
【石渡】やはり先々お店の事を考えると、シカゴや東海岸からのクラ フトビールを扱いたいなと。
【菅原】 好きなビールは勿論、お店としてお客さんに対して売りやす いかどうかも大事です。あと人間なので個人店だと孤独で 寂しかったりするんで話を聞いてくれる営業の人とかがいると 話が盛り上がって何時の間にかビール買っちゃってたりね。
【石渡】可愛い営業さんだとついつい買っちゃう。
【菅原】それもあるかも( 笑)。やはり営業が居ないとビールの良さ が伝わりにくい場合もある。手間がかかっている物だしブル ワーの方の気持ちを知ると説明もしやすいので作っている 人の見える物を仕入れたいですね。
【川島】僕のお店だとビールの値段設定が低めなのもあって初めて クラフトビールを飲みにくるお客さんも多い。個人的にザッ クリ分けると1杯で完結するビールと2杯目を誘うビールに分 けて考えていて、あまり飲んだ事の無い人にはインパクトの あるビールで覚えてもらったり、好きな人には2 杯目3杯目 と流れを考えて勧めるのでそれに該当する物。質の良さは 大前提です。
【梶谷】客層がコアになっていくとラインナップもマニアックになりが ちだと思うのですが、その一方で各ブルワリーの定番ビール を中々見かけなくなっている。限定だから美味しいのではな く定番にも美味しい物は沢山あるのでクラフトビールが身近 では無い人達にもしっかりとビールの良さが伝わるような仕 入れのお店が増えていくと嬉しいなと思います。
【菅原】うちはデリリウムカフェやセントベルナルデュスなどブルワリー と組んでやっているお店もあるのですが定番のビールを育て て行く事をベースとし、その中で新しいビールをどうやってい くかを考えています。続々と新しいビールが増える中で色々 と考えた時期もありましたが自分の中で軸になるビールがあ ると自信・やりがいに繋がる。そしてそれはお客さんに対す る説得力にもなる。やはり定番ビールは大事ですね。
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